死刑宣告 ページ42
聞こえるはずのない声に、リチャードは身を固まらせた。
何故、何故、何故、何故、何故____!
リチャードの頭の中はそれだけでいっぱいになる。
声は続ける。
『君の異能力は何か分からないけど……
まあ、君に俺は殺せないよ。
だって、さ』
止めろ、続けるな。
それ以上、僕を、オレを、心をかき乱さないでくれ。
__その、昔の友人と同じ顔で、オレを見ないでくれ。
『君は、ルイス君の“友達”、だったもんね?』
「____止めろォォォォォォ!!」
リチャードの絶叫が聖堂に響き渡り、黒い腕が目一杯に蓮の体を締め付ける。
だが、それも意味をなさない。
『【名のないシシャ】』
冷たい、死刑の宣告をされた様な緊張感をリチャードに齎した声。
リチャードの体は震え、動かない。
赤色の文字列に包まれた蓮の体は、黒い腕を破壊して舞い降りた。
そして、リチャードに近づく。
「止めろォ、来るなァ………お前、ハ………!!」
『思い出したよ、その独特の話し方。
君は、ルイス君と一緒に俺を虐めてきたリチャード君だよね?
俺を、裏切って、自分の利益しか考えなかった』
記憶の隅にいた、アルビノの少年。
仲の良かった二人はある日突然、蓮に危害を加える様になった。
蓮が人間不信になった原因の一つでもある人物。
【名のないシシャ】を発動し、誰も倒せるもののいない状態となった蓮は、死神と同じだった。
『リチャード君にとって、“死”は絶対不可避な事象なんでしょ?
大歓迎って言ってたよね?
じゃあさ……ほら、今から俺が、君を殺してあげるよ』
死刑宣告。
リチャードは身を震わせ、蓮を見つめた。
それに対して蓮は動じる事なく、リチャードから拳銃を奪う。
そして其れを、真っ直ぐ、揺らぐ事なく、リチャードに向けた。
蓮の瞳に渦巻く感情は憎悪。
其れを目の前の人物に、ただ一人の人物に向ける。
『じゃあね、リチャード君』
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時