マフィア流のやり方 ページ26
『さて、落ち着いた所で鼠さん。
聞きたいことがいくつかあるんだけど』
「アア、良いさ。
僕は答えるよ」
『それはありがとう。
じゃあ、一つ目の質問だけど、何でこうなってるのか、教えてくれない?』
そう問うと、鼠はポツリポツリと語り出した。
****
僕が住んでいる地域はあまり雨が降らない。
だけどその日は珍しく雨が降ってて、それに夜も深かった。
満月が、時折僕に悪戯してくるチェシャー猫みたいで、凄く憎たらしかった。
あの日、僕は帽子屋と三月ウサギにパーティに招待されてたから、その時の手土産の為に真っ赤な葡萄酒を買いに行ったんだ。
明るい時間は、お婆ちゃんの介護と、妹の世話に、知り合いに頼まれた仕事で忙しかったからね。
良い葡萄酒を手に入れる為には、ちょっと離れた隣町まで買いに行くしかなかったんだよ。
婆ちゃんから貰ったバスケットに、夕飯のパンと葡萄酒を入れて持って帰ったら、森の中で悲鳴が聞こえたんだ。
その悲鳴の所に急いで駆けつけると、近くに住んでた筈の子犬君が倒れてたんだよ。
どうしたのって言って近寄ったら、彼奴がやったって………
指差された方向を見れば、暗くて顔ははっきり見えなかったけど、アリスと同じ色の長い髪の毛を持った女の子が逃げる様に走って逃げて。
子犬君は、意識がなくなっちゃって、急いで子犬君を家へ連れ帰ったんだ。
****
「____その後、女王に呼び出されて、犯人を聞かれたんだ。
アリスと同じ色の髪色の女の子だった、って言ったら、じゃあそれはアリスに違いないって。
この世界で、君達みたいなはっきりとした人間って珍しいんだ。
だから、アリスみたいな髪色を持った子は、この世界にもう一人いるかいないかで………」
『………へえ』
「嘘じゃないよ?!
嘘なんてつかないさ、ここまで来て………」
鼠の顔を見るが、嘘はついていない。
嘘をついているかいないかの見極め方は、前に太宰から習った。
本当は、マフィア流のやり方でやったほうが早いのだが、ここは世界が違う。
何が起こるのか未知数な為、安易な方法はやめたほうが良さそうだ。
顎に手を当て、状況を整理した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時