帽子屋曰く、白い人形 ページ21
《あの“白ウサギ”を蓮様が誘い入れたのならば、僕達は蓮様を殺さなければいけないんです》
相変わらずの不気味な笑みを浮かべた侭そう言って来たのはチェシャー猫であった。
彼は首から下の胴体を、どういう事なのか、消して、首だけを近づけてくる。
常識的にあり得無い状況に一歩後ずさる。
トン、と何か軽いものにぶつかった。
其処に居たのは先程まで居なかったはずの三頭身の男＿＿＿ハッタだっただろうか。
ハッタは丸い鼻を膨らませ、得意げに言った。
《生憎、俺たちは殺しが性にあっててな。
ルイス様とエセ教祖に侵入者の殺しを命じられてるんだ》
何処から出したのだろう、黒色の生地に赤のメッシュが入った高さの低い帽子を蓮に被せるハッタ。
手触りの良い帽子を撫で、蓮は低い声で問う。
『殺すって………俺を？』
《そうさ。
君が侵入者なら、私達は君を殺さなきゃなら無い。
ルイス様の命を狙っているのなら尚更ね》
暗に、お前は侵入者か？と言っている質問を流し、聞きたい事を聞いた。
『【信者】って知ってる？』
《【信者】ぁ？
其れは何だ、あれか、あの真っ白い人形達の事か？》
首を傾げてきたハッタの言葉に、今度は蓮が首を傾げた。
『人形？』
《そうだよ、聞いてくれよ、彼奴ら気持ち悪いんだぜ？
あの扉の奥に教会があるのは見ただろ？
毎晩、其処で彼奴ら何時も像のある方向に向かってずっと祈りを捧げてるんだよ。
其れも何言ってるのかわからない言葉を使ってよ。
然もよ、像の奥にはあのエセ教祖の寝室があるんだ。
気持悪いったらありゃしねえ。
あんなんでエセ教祖の野郎、寝れんのかって話だよな》
《一言一句ずれずに、全員で同じ言葉何十回も繰り返してるんだ。
ありゃ本物のエセだよな》
目的地“エセ教祖”、乗り換えの駅は“不思議の国”→←不思議の国の住人たち
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね！めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (
レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鸞宮子 瑩 | 作成日時：2019年10月29日 19時
