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蘭side
「Aさんは一部の記憶がなくなっている状態です」
そう、医者から告げられた事実
さっきの会話を聞く辺り、関東事変が終わってすぐから今までの記憶がない状態
そうなると、今のAは、六波羅の事、三天戦争の事、サウスの事、そして瓦城千咒のことを知らない
医者曰く、消えた記憶が戻る可能性は五分五分らしい
俺と竜胆は頭を抱えた
このままAの記憶が戻らなかったら?
…いや、待てよ
Aの記憶がもし戻ったとすれば、サウスが死んだことも同時に思い出す
そうなればAは必ず自分を追い詰める
それだけは絶対に避けたい、避けなければならない
蘭「……Aの記憶は、戻さなくていいです」
竜「はっ…!!?兄ちゃん!!?何いっt…蘭「じゃあもし仮にAの記憶を戻した時!!!Aはどうなると思う!!?サウスが死んだこと!!アイツは絶対に自分のせいにする!!!」……」
蘭「なぁ……竜胆も知ってるだろ……Aにとって”大切な人の死”がどんなものか……」
母親が死んだときも、イザナが死んだときも、速水蓮が死んだときもアイツはいつもそうだった
『自分がッ……!弱いから……!!自分がもっとちゃんとしないから……!!!!!』
狂ったように自分を追い込み、精神を壊す
始まりは母親の死からだった
母さんは事故死だった
買い物の帰りに車に撥ねられた
母さんは優しい人だった
その買い物だってAがプリンを食べたいと言って、買いに行ってくれた時の事だった
その日からだろうな、何かあれば自分を追い詰めるようになったのは
確実にAが壊れていったのは
それから父親を殺し、六本木のトップに立って、天竺に入って、イザナが死んで、小さい頃一緒に遊んでた蓮が死んで、俺ら幹部が捕まって、Aが港区のトップに立って、年少でサウスと出会って、六波羅入って、千咒と友達になって、サウスが殺されて
色々なことがあった
その度にAは少しずつ壊れていった
A自身も、気づかぬ内に壊れていった
いつか、消えてしまいそうで、俺らはそんなAを守るのに必死だった
このまま、失った記憶が戻らなければ、壊れていたAが少しでもなおるかもしれない
だから、記憶を戻してやるわけにはいかないんだ
竜「…分かったよ」
部屋に戻り、Aに声をかける
蘭「このまま怪我が治れば、退院だって」
『やった〜!』
最低な兄ちゃんでごめんな、A
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ぽ - ふらんそわ。さん» 月宮莉夢って検索したら結構出てきますよ! (2022年6月29日 12時) (レス) id: a66773a6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんそわ。 - ぽさん» え!?また読も!!楽しみ💕 (2022年6月29日 0時) (レス) id: 203da5f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - ふらんそわ。さん» 月宮莉夢さんの作品はギャグでおもろすぎる!合作も面白いですよ! (2022年6月28日 9時) (レス) id: a66773a6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんそわ。 - ぽさん» あ!ウチもそれ読んだことあるかも!超面白いよね!! (2022年6月26日 22時) (レス) id: 203da5f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 月宮莉夢さん» もしかして月宮莉夢さんって配達先が反社だった件とか作ってる人ですか?あの作品大好きなんです! (2022年6月26日 13時) (レス) id: a66773a6f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらんそわ。 | 作成日時:2022年5月1日 16時