コミュ障の鬼殺隊士は誤解と冷や汗を撒き散らしながら今日も往く。 (ページ26)

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勘違い23個ページ26

報告が終わり、ついでにと任務を言いつけられた。

とある屋敷にて人が次々消えるというなんともまぁチープな怪談じみた事件だ。

ただ悲しいことにこれ怪談でもなんでもなく本当にあったことでさらに悲しいことに私はその元凶たる鬼を倒さなきゃいけないんですよね。

やだなぁやだなぁ私本当は物凄い小心者だから鬼すんごく怖いんだよなぁあーーーーこわい。

煉獄さんは嫌そうな顔をする私を見て一言がんばれ！！と暑苦しく言うと任務があるからとさっさと立ち去った。

がんばれで人間が頑張れたら鬼殺隊いらねーーーーーーーーーんですよ！！！！！もう！！！！！兄様帰ってきてーー！！

気は進まないけれどこれも仕事。割り切って向かわねば。

私はおもむろに会議室の戸を開けてさっさと立ち去る。嫌なことはさっさと終わらせるが吉、そうパパも言ってましたしね。

嫌だなぁ嫌だなぁと心で泣きながら廊下を歩いていると誰かとぶつかって転んだ。

なんのラブコメだ……今の私にはラブコメよりもやっぱ任務行かなくていいよの一言の方がよっぽどうれしい。

「わぁ、わぁ、ごめんなさいぃ！！ぶつかるつもりはなかったんです本当に！ごめんなさ……あれ…？ツンデレちゃん？なんでここにいるの？」

その声で勢いよく顔を上げる。黄色い地に白の三角柄の羽織、二股に別れた太眉、ひまわりみたいな瞳とたんぽぽみたいな頭。

見間違いようもなく我妻善逸、その人だ。

その人は驚きながらも紳士的に私に手を差し伸べる。私はその手をぱしっとはらって自分で立ち上がる。

『…！！き、君こそなんでこんな所にいるんですかぁ？というかその呼び方やめてくれません？私には杠Aっていう立派な名前があるんですけどぉ〜』

「あっあっごめんね？！会えて嬉しかったから調子乗っちゃってさ……杠Aちゃんって言うのね！可愛い！俺は我妻善逸！めっちゃ弱いけどよろしくね！」

『はぁ、宜しくするつもりはさらさらありませんけどぉ……』

ﾊｧｧｧﾝ本当に私かわいげないですね！！手をさしのべられたら普通に受けとりゃ良いじゃないですかバカ！よろしくって言われたらよろしくしたらいいじゃないですか！！もう！！