もうなにもいらない【佐野万次郎】 (ページ7)

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土曜日の朝

ピンポーンと玄関から鳴った
こんな朝早くから誰だろ

『おはようござ、』

ドアを開けると見慣れた黒髪ロン毛が立ってた

「よぉ、元気？」

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『こんな朝早くからどうしたの、場地』

尋ねてきたのは場地だった
コンビニの袋に入ったペヤングをチラチラと見ながら私の横を歩く場地

「ん、ちと付き合え」

『…やだ』

「はぁ？！断る選択肢お前にはねぇんだよ！」

『うるさい場地、どうせ勉強教えろとかでしょ
留年しちゃってさぁ、千冬に教えてもらいなよ』

「んな事頼んでねぇよ、俺の話聞け」

じゃあなんなのさときくと、黙り込む場地
とにかくついてこいと腕をひっぱられ場地の家へ

『結局場地の家じゃんかー』

「今ペヤング作ってるから待ってろ」

『ハイハイ、お湯入れて3分待つだけだけどねー』

場地の部屋に来るのも久しぶりだった、
佐野は独占欲の塊で嫉妬深いし、場地とか三ツ谷とは最近あんまり話せてなかったっけ。

「よし、できた場地圭介様の特製ペヤングだ！」

『ただのペヤングじゃん、んで、今日も半分こでしょ？』

「いや違え、これ全部お前にやる」

あれ？場地？いつもなら半分こどころか3分2は食べちゃう場地がだよ？

どうしたのペヤング嫌いになっちゃったの

『やだ、場地と半分こがいい』

「…いいのか？！」

やっぱり食べたかったんだね、さすが私

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『ふぅ、食った食った』

「お前そんなんだからモテねぇんだぞ」

『うっさい場地！場地の前だけだしこんなの』

あと、佐野と。

「へー、お前マイキーと別れてから少し痩せたか？」

私のほっぺをぷにっと摘んで言う場地
げ、3キロくらい体重落ちてたんだった

ショックでご飯が食べれなかった私は体調を崩しつつあった。今は元気だけど

『場地ぃこーいうの気づくよね、』

「俺はお前にはマイキーの隣にいて欲しかった、
あいつを笑わせてやれるのはお前くらいだから」

真一郎くんがいなくなってから、佐野は少し元気がない時期があった。そんな時でも私は佐野を元気づけるために佐野が喜びそうなことは沢山した

いつの間にか、佐野は元通りに戻っていた

『そんなこと、今更言わないでよ場地』

私だって隣にいたかった。