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Aside
いつも行く公園に行ったら不良達に男の子が取り囲まれてて、気づいたら身体が動いてて男の子を庇ってた
喧嘩も何も出来ないくせに、自分でも馬鹿だなって思ったよ
けどね、私の前にヒーローがあらわれたの
「俺は佐野万次郎」
佐野くんは私の前にしゃがみこんで
「お前強えな」
と笑った
私が強い??さっき何も出来なかった私が?
この人は何言ってんだろ
『弱いよ、さっき何も出来なかったっ』
「そうじゃねぇよ」と私の頭を撫でる佐野くん
え?と彼を見上げると、彼は微笑みながら私を見つめた
「お前、見るからにちびで弱っちくて喧嘩なんてしたことねぇくせに中学生相手に飛び込んで行ったんだぞ」
『そ、それは』
だって身体が勝手に動いちゃったんだもん、
後先考えないで行動しちゃうところがよく危ないって言われるんだよなぁ、
「だからお前は」
「ここが十分強えの」
と自分の左胸をとんとんする佐野くん
こころが強い、ってことらしい
な?と笑いかける佐野くん
まさか褒められるとは思ってなかったから
またぶわっと涙が出てきた
「お前ほんと泣き虫だな」
『だって、佐野くんがっ』
「俺褒めただけじゃん」
.
それから少し佐野くんと話をして
助けてくれたお礼に近くの屋台で売ってたどらやきを佐野くんに買って渡した
「う、うめぇ!!」
美味しそうに食べる佐野くん見てたら、さっきの不良を一瞬で倒した佐野くんとは別人に見えてクスッと笑ってしまった
そして佐野くんは食べ終わると、ご機嫌そうに私を見てきた
「お前、ひとりじゃまた飛んでくだろ
危なっかしいから、俺が守ってやる」
「今日からお前、俺のダチ」
そう私に笑いかける佐野くんは
上から照り付ける太陽なんかよりも眩しかった
これが私の佐野の出会いだった
今でも鮮明に覚えている。
私の初恋で、私だけのヒーロー
______今までもこれからも。
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作者名:三ツ谷サイダー | 作成日時:2021年8月23日 13時