検索窓
今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:28,540 hit

訪問者 ページ7

紀伊国、雑賀の里。

軽傷を負った兵士達のみが先に戻ってきており、その中には当然Aの姿があった。


A「はっくしゅん」

「おーどうした。風邪か?」

A「す、すみません。鼻がむず痒くて...」


ほぼ無傷のAは、怪我をした兵士達の手当てに回っていた。

と言っても、包帯を持ってきてくれ、とか白湯を持ってきてくれと言われて持ってくる雑用係だ。


「Aももう休んでいいぞ。いくら無傷だからって疲れてない事は無いからな」


兵士の手当てをしているのは、雑賀衆で兄貴分のような男だ。

彼は銃の腕も良く、面倒見もいいのでAも雑賀に来た時はよく世話になっていた。

もちろん彼は、Aが元、武者狩りであることなど知らない。



A「お一人では何かと大変だと思います。お手伝いしますよ」

「悪いな。じゃ、井戸から水を汲んできてくれねぇか?熱出した奴もいるから必要なんだ」

A「分かりました」


Aはひんやりとする夜風に当たりながら、井戸へ向かった。

井戸へ向かう途中、門がこんこんっと音を鳴らす。

最初は気のせいだと思っていたが、何度も同じ音を鳴らすのでAは不審がって門まで歩みを戻した。


A「どちら様ですか?」


門越しに問いかけてみる。

一応、門は勝手に開けるなと言いつけられているからだ。

それでも門の向こう側からは、こんこんっと叩く音だけがしている。


A「すみません。勝手に開けるなと言いつけられているので開けることは...」


こんこんっ、こんこんこん、こんこんこんこん


早く開けろと言わんばかりに戸を叩く回数は増えていく。

流石のAも怖くなったのか、屋敷にいる兄貴分の男の元へ向かおうとしたその時だった。






「お前が開けろ」









獣の唸り声のような声にAの背筋が凍る。

逃げるように屋敷に戻り、手当てをする兄貴分の男に縋り付く。


A「義兄さん!」

「ん?どうしたA、水は...」

A「誰か来ています!ずっと門を叩いて開けろって...」


兄貴分の男は、Aの話を聞いて共に門のところへ向かった。

二人が着いた時は既に門を叩く音は消え、兄貴分の男が門を開いても誰もいなかったという。

頭領帰還→←変化



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
設定タグ:戦国BASARA , 石田三成 , 三楓
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

三楓(プロフ) - ルカさん» コメありがとうございます!三成様の優しさが上手く表現出来ていれば幸いです(笑)(´∀`*) (2019年1月17日 0時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - こう…なんというか…三成様は優しい人なんだな。っていうのが改めて分かりました (2019年1月3日 12時) (レス) id: 4bcfa0b979 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 豊臣軍Loveさん» コメありがとうございます!三成様ってキツい物言いだから誤解されることが多いだけであって、本当は面倒見がよく優しい方だと思うんですよね(*´∀`*)楽しんで頂けて嬉しいです!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年4月1日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
豊臣軍Love - 面白かったです!最後のほうで泣いてしまいました笑笑感動です!なんか、この小説の中の三成はほんとは優しいって気持ちがわかる作品で良かったです!(*^^*)これからも頑張ってください! (2018年4月1日 1時) (レス) id: 117b53f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ビルムーンさん» コメありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございました(*´∀`*) (2018年1月17日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:三楓 | 作成日時:2017年5月22日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。