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立場 ページ30

A「え、それはどういう...」


涙目で訴えかける金吾の言葉を理解しきれなかったAが問いかけようとした時、台所へ来る足音が聞こえてくる。


三成「A、ここにい...」

金吾「ひゃぁあ!?み、みみ...三成君!?」


金吾は反射的にAの後ろに隠れた。


三成「貴様ら、何をしている」


怯えて声も出ない金吾に天海が変わって説明する。


天海「申し訳ございません。台所をお借りして鍋を作っていたところ、雑賀衆のお方が鍋の作り方を教えて欲しいと申されたので。そうですよね」


話を合わせてくれと言わんばかりの笑みを見せる天海に、Aは小さく頷き「そ、そうなんです!」と肯定する。


A「あ、三成さんもどうです?」

三成「いらん。それより貴様に話がある。戦の事だ」

A「はい。すぐ行きます」


三成の元へ向かおうとしたAに、金吾は背後から耳打ちをした。


金吾「き...気をつけてね。えっと...」


雑賀衆と聞いただけで名を聞いていなかった金吾は口篭る。

それに気がついたのかAは微笑みながら「Aです」と名乗った。


三成「何をしている。早くしろ」

A「はい。じゃ、金吾さん天海さんまた...。あ、鍋本当に美味しかったです」


軽く手を振り、三成と共に台所を出て行ったA。


金吾「天海様...三成君にさっきの事聞かれてないよね?もしかしたらAさん、殺される...!?」

天海「それならば金吾さんも呼ばれるはずでしょう。恐らくは聞かれていないかと」

金吾「そ、それならいいけど...」

*******

A「それで、戦の事とは?」


前を歩む三成に問いかけるが、三成は何も言わずただ早歩きでどこかへ向かっているようだ。


A「三成さん?」

三成「虫唾が走る」

A「...はい?」


急に立ち止まった三成に、ぎりぎりのところでぶつからずに済んだAはほっとしつつ三成の背を見ていた。


三成「ただでさえ苛立つ奴に更に苛立った」

A「?」

三成「A、貴様の主の名を言ってみろ」

A「...孫ねぇさん?」

三成「それは前の事だろう。今の主を言ってみろ」

A「...三成さん?」


一体これが戦になんの関係があるのだろうかと思いながらAは首をかしげた。

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三楓(プロフ) - ルカさん» コメありがとうございます!三成様の優しさが上手く表現出来ていれば幸いです(笑)(´∀`*) (2019年1月17日 0時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - こう…なんというか…三成様は優しい人なんだな。っていうのが改めて分かりました (2019年1月3日 12時) (レス) id: 4bcfa0b979 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 豊臣軍Loveさん» コメありがとうございます!三成様ってキツい物言いだから誤解されることが多いだけであって、本当は面倒見がよく優しい方だと思うんですよね(*´∀`*)楽しんで頂けて嬉しいです!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年4月1日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
豊臣軍Love - 面白かったです!最後のほうで泣いてしまいました笑笑感動です!なんか、この小説の中の三成はほんとは優しいって気持ちがわかる作品で良かったです!(*^^*)これからも頑張ってください! (2018年4月1日 1時) (レス) id: 117b53f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ビルムーンさん» コメありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございました(*´∀`*) (2018年1月17日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年5月22日 10時

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