秋 ページ24
真夏の煩かった蝉の合唱は何処やら、季節は巡って紅葉の季節になった。
真っ赤に染まる紅葉を眺めながら、鉄砲隊の指導を終えたAはのんびりとした時間を過ごしていた。
刑部「主もここには随分慣れたよの」
A「全部刑部さんのお陰ですよ」
城下町から戻ってきたばかりの刑部は、紅葉を眺めていたAの隣へと神輿で移動する。
刑部「ところで、三成とはあの後どうしておる?流石に進展はしたであろ」
A「なっ...!何を言ってるんですか刑部さん!」
刑部「世継ぎが産まれるのも時間の問題よのー」
からかうように笑う刑部にAは「そんな事はありません」と必死で何も無いことを告げる。
刑部「そんな事は無い...そうかそうか。もう出来ておるということか。ひゃっひゃ!」
A「だから違いますってば!本当に何も無いです!第一、恋仲でも政略結婚でも無いのにそのような...」
刑部「主がおるだけでも大分違うというものよ。主が来る前は崇拝していた太閤を亡くし、目も当てられぬ状態だったからの」
A「雇われてここに来た時、私もそう思いました。だからどうしたらいいか刑部さんに聞いたのに刑部さんときたら...」
あの恥ずかしい思い出がしみじみと蘇る。
刑部「あれのお陰で主もここに慣れ、三成もやっと前を向くようになった。一石二鳥よ」
A「それはそうですけど...」
刑部「しかし、主も成長した。初めて会ったときは戦しか知らぬ者だったにも関わらず、今は色恋に身を焦がし...」
A「も、紅葉が綺麗ですね刑部さん!」
地面に落ちていた色あせている紅葉を拾い、Aは刑部の言葉を遮った。
刑部「うむ。ほれA、主の想い人が呼んでおるぞ」
A「え?あ、ほんとだ。三成さんが...って刑部さん!その言い方やめてください」
刑部「ひゃっひゃっ、ほれ、早う行ってくるがよかろ」
刑部にからかわれ紅く染まった頬を隠しながらAは、屋敷で自分を呼んでいた三成の元へ向かった。
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三楓(プロフ) - ルカさん» コメありがとうございます!三成様の優しさが上手く表現出来ていれば幸いです(笑)(´∀`*) (2019年1月17日 0時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - こう…なんというか…三成様は優しい人なんだな。っていうのが改めて分かりました (2019年1月3日 12時) (レス) id: 4bcfa0b979 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 豊臣軍Loveさん» コメありがとうございます!三成様ってキツい物言いだから誤解されることが多いだけであって、本当は面倒見がよく優しい方だと思うんですよね(*´∀`*)楽しんで頂けて嬉しいです!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年4月1日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
豊臣軍Love - 面白かったです!最後のほうで泣いてしまいました笑笑感動です!なんか、この小説の中の三成はほんとは優しいって気持ちがわかる作品で良かったです!(*^^*)これからも頑張ってください! (2018年4月1日 1時) (レス) id: 117b53f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ビルムーンさん» コメありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございました(*´∀`*) (2018年1月17日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年5月22日 10時