検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:28,527 hit

撤退 ページ17

短筒は腰にぶら下げたまま、Aは小太郎と互角に戦う。

速さは忍である小太郎が上だが、Aも、もしかしたら横にぶら下げている短筒の重みが無ければ速いのかもしれない。

いや逆に言えば、短筒をぶら下げたままでも互角に戦えるほど強いのだ。

孫市は改めて武者狩りであったAの強さを評価する。

どう育ったらこの歳でこんなにも強くなるのだろうか、と。

Aの援助をしようにも激戦を繰り広げているため、彼女に銃弾が当たりかねない。

何も出来ない孫市が唇を噛み締めた時だった。









爆発音。









地震でも起きたのかと言うほど揺れた地面に、足を掬われたAは思わず尻餅をつく。


孫市「A!」


迫っていた小太郎に銃口を向けた孫市だったが、爆発した方を一瞬見た小太郎は止めを刺さずにそのまま姿を消してしまった。

唖然とするAの元に、兄貴分の男が駆け寄る。


「A、大丈夫か?」

A「は、はい。でも、今の爆発音は...」


爆発があったであろう場所からは、黒い煙が立ち込めている。

その煙が全てを吸い寄せたかのように空にはいつの間にか暗雲が立ち込めていた。


孫市「...」

「頭領?」

孫市「これより、雑賀衆は撤退する」


孫市の発言に、雑賀衆全体がどよめく。


A「まだ敵は天守閣にいますよ!?」

孫市「契約者が倒れればここにいる意味は無い」

A「契約者って...」

孫市「日ノ本は揺らぐぞ」


背中越しに聞いたその言葉を、Aは理解出来なかった。

*******

未明の刻、全てを照らすはずの太陽は一人の男を暗黒へと落とした。

全てが終わった後にたどり着いた男は、太陽を怒り、呪い、そして嘆いた。

崇拝していた主の亡骸の前で、何も出来なかった自分を責め、そして誓った。









必ず太陽(いえやす)の首を取る、と。

客人→←伝説の忍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
設定タグ:戦国BASARA , 石田三成 , 三楓
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

三楓(プロフ) - ルカさん» コメありがとうございます!三成様の優しさが上手く表現出来ていれば幸いです(笑)(´∀`*) (2019年1月17日 0時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - こう…なんというか…三成様は優しい人なんだな。っていうのが改めて分かりました (2019年1月3日 12時) (レス) id: 4bcfa0b979 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 豊臣軍Loveさん» コメありがとうございます!三成様ってキツい物言いだから誤解されることが多いだけであって、本当は面倒見がよく優しい方だと思うんですよね(*´∀`*)楽しんで頂けて嬉しいです!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年4月1日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
豊臣軍Love - 面白かったです!最後のほうで泣いてしまいました笑笑感動です!なんか、この小説の中の三成はほんとは優しいって気持ちがわかる作品で良かったです!(*^^*)これからも頑張ってください! (2018年4月1日 1時) (レス) id: 117b53f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ビルムーンさん» コメありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございました(*´∀`*) (2018年1月17日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:三楓 | 作成日時:2017年5月22日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。