輝かしき栄光 ページ11
周囲の木があまりにも育ちすぎて、昼間なのに日光はほとんど当たらない。
僅かな光の先でAが目にしたものは巨大な石の上に座る人だった。
「連れてきましたよ」
Aをここまで案内した商人は、巨大な石の元まで走るとキラリと光るものを受け取っていた。
恐らく、それは金貨だ。
「お、おらは悪くねぇからな!」
商人は念を押すようにその言葉をAに投げ、一目散に去って行った。
「...さて、邪魔者はいなくなったな」
獣の唸り声のような声に、Aは一瞬だけ怯む。
いつぞやの門越しで聞いた声と瓜二つだったからだ。
「まあそう警戒すんなよ。俺はアンタの仲間だぜ?」
A「...仲間?どういう事ですか」
「アンタはまだこんくらいだったから覚えてなかっただろうがな。俺はアンタの親父と共に戦った戦友だ。と言っても数十年前だが」
かかっ、と喉を鳴らしながら笑う男は、巨大な石から飛び降りてAの元へ足を進める。
「風の噂でよぉ、あいつが殺されたと聞いていても立っても居られなかったのさ。武者狩りの事もなーんも聞かなくなったし、娘も死んだかと思ったが...」
間近まで迫った男は遥かに大きく、人というよりも、巨人に近い印象をAに与えた。
「アンタ、全国に指名手配されてんじゃねぇか。そりゃあろくに動けねぇよな?」
A「...何が言いたいんですか?」
「親父の仇を討ちたくはねぇのか?全ての大名共を恐々させた『武者狩り』の名を取り戻したくはねぇか?」
A「私に、また武者狩りをやれと?」
「武者狩りはアンタの親父と、アンタが作り出した最強かつ伝説的存在だ。それが復活すれば豊臣は愚か、日ノ本中がアンタの下僕となる」
A「...」
「もちろん、俺も協力してやるよ。二人で日ノ本を俺達のものに...」
A「...貴方と、ですか」
ぼそりと呟いたAは、肩を掴んでいた男の手を振り払う。
A「申し訳ございませんが、私はもう武者狩りには戻りません。それに、貴方が思っているほど、武者狩りというものは素晴らしくないんです」
「何を言っているんだ。アンタぐらいの強さがあれば日ノ本を手中に収めることが出来るんだぜ!?」
A「私は天下を取るために武者狩りをしたのではありません。話は以上です」
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三楓(プロフ) - ルカさん» コメありがとうございます!三成様の優しさが上手く表現出来ていれば幸いです(笑)(´∀`*) (2019年1月17日 0時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - こう…なんというか…三成様は優しい人なんだな。っていうのが改めて分かりました (2019年1月3日 12時) (レス) id: 4bcfa0b979 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 豊臣軍Loveさん» コメありがとうございます!三成様ってキツい物言いだから誤解されることが多いだけであって、本当は面倒見がよく優しい方だと思うんですよね(*´∀`*)楽しんで頂けて嬉しいです!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2018年4月1日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
豊臣軍Love - 面白かったです!最後のほうで泣いてしまいました笑笑感動です!なんか、この小説の中の三成はほんとは優しいって気持ちがわかる作品で良かったです!(*^^*)これからも頑張ってください! (2018年4月1日 1時) (レス) id: 117b53f6a2 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ビルムーンさん» コメありがとうございます!最後まで読んで下さりありがとうございました(*´∀`*) (2018年1月17日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年5月22日 10時