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崩壊 ページ15

しばらくして、狐でいた事を忘れ、三成は三成というニンゲンとして生きていた。


A「...でさ、あの時は私も笑ってしまってな」


Aの話はサムライであった時の話や主君の話ばかりだったが、三成はその話が好きだった。

その話をしている時のAの表情が明るいからというのも理由に入る。

Aが笑えば自分も楽しかった。









三成「...ふぅ」

ある日三成は森で薪を拾っていた。

ある程度薪を取り終わり、小屋へ足を進める。


三成「A、帰った...」


三成は目を疑った。


戸の前には自分と全く同じ容姿の男が立っていたからだ。


三成「...ッ!?」

A「えっ...こ、これは...」


三成と同様Aも戸惑っていた。








三成が二人いる。









「なんだ貴様は」


Aの目の前の三成らしき男がそう言った。


三成「私は三成だ。貴様こそ...」

「何を言っている。石田三成とは私の事だ」


先ほど森から帰ってきた方の三成は訳が分からなくなった。

【石田三成】は既に死んだのでは無かったのか!?

刑部の見透かしが外れる訳がない。

だったらこれは...


「貴様...もしや









【人喰狐】だな?」

三成「っ...!?」

A「ちょ、ちょっと待て!どうなっているんだ!?」


二人現れた三成にAは状況すら把握出来ていなかった。


「なんだA、【人喰狐】を知らないのか?」


Aの目の前に立つ三成はもう一人の自分に目をやる。


「自分の身内あるいは親しい者に化け、人を騙し、最終的には喰らう。それで何年も生きている狐の事だ。A、貴様は騙されている」

三成「違うっ!私はっ...!」


反論しようとした。

だが、そこで言葉が詰まる。

唇だけが何かを伝えようと動いてはいるが、声が出ることが無かった。









だって今までそうして生きてきた事に変わりはないのだから。









憎きニンゲンを幾度となく喰らった。そのせいで他の狐からは【普通じゃない】と避けられた。




それでも、Aを喰らおうとは思っていない。









「言えない、という事はそういう事だという解釈でいいな?」

A「三成...」


Aの表情を見るのが怖くて、顔を上げることが出来なかった。


三成「違うっ...私、は...」


薪がこぼれ落ちる。



三成(きつね)は逃げた。

人喰狐→←偽誓



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三楓(プロフ) - SCP-114514さん» コメありがとうございます!無敬忠義最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀`*)楽しんでいただけて嬉しいです! (2017年9月12日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
SCP-114514 - ぶっちゃけると泣きかけました。 すごいおもしろかったです。 (2017年9月11日 23時) (レス) id: 0fdbe6efba (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 三楓さん» 頑張って下さい!三成が1番大好きなので楽しみにしています! (2017年4月5日 18時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 小悪魔さん» コメありがとうございます(*´∀`*)無敬忠義最後まで読んでいただきありがとうございました!これからも頑張りますね! (2017年4月5日 18時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 三楓さん» 初めまして!パート1から全部見ました!凄く面白かったです!特に狐ノ恩返シは凄く良かったです!私は、番外編見たいな感じで読ませて頂きました!この小説はこれからもいっぱい読ませて頂きます! (2017年4月5日 18時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2016年8月23日 11時

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