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魔術師 ページ2

森の奥には誰も立ち入らない。

そこに住む生き物でさえ。


狐は、森の奥の更に先に綺麗な光景が広がっていることを知っていた。

そしてそこには魔術師がいる。


「やれ、今日も今日とて他の狐らに外されたか?」

「それは毎度の事だ。別に気にしていない。ところで、今日は貴様に頼みがあって来た。刑部」


岩の上にあぐらをかいて座る、魔術師・刑部に狐は告げた。


刑部「なんぞ?狐よ」


刑部は、その身を包んだ包帯越しから銀色の狐を見る。


「先日私はニンゲンに助けられた」

刑部「ほう」

「ニンゲンは非道、貴様はそう言ったがあのニンゲンはそうには見えなかった」

刑部「表向きはどのニンゲンも同じよ。主はニンゲンの本性を知らぬだけ」

「...私は確かめたい。ニンゲンが誠に非道なのかを。









だから、私をニンゲンにしてくれ」

刑部「何を申すかと思えば...」


刑部は、呆れたように言った。


「少しでいい。あのニンゲンに礼を言いたいだけなのだ」

刑部「やれ、主の好奇心にはほとほと肝を冷やすな」

「...駄目か?」


刑部「駄目とは申さぬが今回だけぞ」


そう言って刑部は小さな瓶を取り出した。


刑部「これを飲めば主はニンゲンの子どもになる。効果は五日。まあ、迷い子とでも言っておればよかろ」

「私に...ニンゲンと住めと?」

刑部「恩返しがしたいのであろ?これを機にニンゲンの心の内を探ると良い」

「...分かった」


狐は刑部から薬を受け取る。
それをごくりと飲み込んだ。


「っ...かはぁっ...」

刑部「苦しいのは本の一瞬よ。...では主に名を授けよう。







主の名は.......」





その名を聞くなり、狐の意識は完全に途絶えた。

狐の佐吉→←プロローグ



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三楓(プロフ) - SCP-114514さん» コメありがとうございます!無敬忠義最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀`*)楽しんでいただけて嬉しいです! (2017年9月12日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
SCP-114514 - ぶっちゃけると泣きかけました。 すごいおもしろかったです。 (2017年9月11日 23時) (レス) id: 0fdbe6efba (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 三楓さん» 頑張って下さい!三成が1番大好きなので楽しみにしています! (2017年4月5日 18時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 小悪魔さん» コメありがとうございます(*´∀`*)無敬忠義最後まで読んでいただきありがとうございました!これからも頑張りますね! (2017年4月5日 18時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 三楓さん» 初めまして!パート1から全部見ました!凄く面白かったです!特に狐ノ恩返シは凄く良かったです!私は、番外編見たいな感じで読ませて頂きました!この小説はこれからもいっぱい読ませて頂きます! (2017年4月5日 18時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2016年8月23日 11時

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