32、さっそくおせち作らなきゃね！ ページ6
「おかえり、A！」
「みだれ！ただいま」
本丸に帰ってくると、乱が走って迎えに来てくれた。
ただし、掃除場所からそのまま走って来たのか、頭には三角頭巾を被り、手にははたきと雑巾を持ったままである。
「現世はどうだった？」
「…ひとが、いっぱい……」
「刺激が強すぎたかな…びっくりしたよね。Aはずっと静かに暮らしたことしかなかったし」
感想を聞いてみたものの、困ったような返事を聞いた乱は、申し訳なさそうにそう言った。
「ううん。びっくりしたけど、楽しかった」
少しだけ笑みを見せてそういうAに、乱は嬉しそうに微笑む。
「そっか。じゃあ、初詣とか、行く？」
「はつもうで…？」
「えっと、正月に神社にお参りに行って、神様にその年一年がいい年になりますようにってお祈りすることだよ。まあ、ボクたちは一応、神様だから、なんか違う気もするけどね」
「…つまり、こんどはみだれたちといっしょに歩けるってこと？」
難しい顔をして聞いていたAだったが、最終的にはその結果起きることについて聞き返した。
「まぁ、そうだね」
「じゃあ、いく…！」
生真面目な顔をしているが、嬉しそうにその声は弾んでいる。
そこに、ピンクのフリルが可愛らしいエプロンをつけた燭台切が顔を覗かせる。
「おかえり！頼んでたもの、もらってもいいかな」
「うん、まんばがもってくれてる」
ちなみに、この呼び方は、Aが山姥切と呼び辛そうにしていたので、まんばでいい。と山姥切が譲歩したためである。
「ありがとう！さっそくおせち作らなきゃね！」
「…おてつだい…したい」
「え！？」
33、…慣れ合うつもりはないが、あんたの料理には多少興味がある→←31、ここが、げんせ？
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