31、ここが、げんせ? ページ5
「ここが、げんせ?」
「そうだな。色々なものがあるぞ」
物珍しげにきょろきょろとするAを抱き上げながら三日月はそう答える。
ちなみに、三日月は狩衣姿だと目立って仕方がないので、燭台切の服を着ている。(乱の案)
もちろん、鶴丸も燭台切の服を着せられている。
ただし、自分たちが美形かつ、髪の色や目の色が珍しいため、目立ちに目立ちまくっているということには誰も思いつかなかったようで、道行く人々の視線を釘づけにしていた。(が、誰も気にしていない)
「A、光坊たちになにを買って来いって言われたんだ?」
「えっと…くろまめと、くりと…えびと…かまぼこ」
「…おせちの材料か」
メモに書いてある言葉を列挙すると、山姥切がぼそりと呟いた。
「おせち?」
Aは、聞いたことが無い言葉にきょとんと首を傾ける。
一応、乱が先程その言葉を言っていたことは気が付いていたのだが、訊くのを忘れていたのだ。
「正月…つまり、1月1日に新年の祝いとして食べる料理のことだ。
燭台切達の料理はうまいからな。楽しみにしているといい」
「わぁ…!たのしみ」
三日月がにこにこしながら教えると、Aはきらきらと目を輝かせた。
「おい…これでいいのか」
振り返ると、大倶利伽羅が先程Aが言った材料をすべて持って立っていた。
「…うん…これでいいと思う」
大倶利伽羅の手元を覗き込みながら頷く。
「…帰るぞ」
「なぁ伽羅坊、いいじゃないか。ちょっとくらい遊んで帰ろう」
もう用はないとばかりに踵を返す大倶利伽羅に、鶴丸が慌てて声を掛ける。
「…怒られると思うんだが」
「そうだなぁ…俺もそう思うぞ」
「おいおい!せっかくの現世だぞ!遊ばなくてどうする!」
しかし、山姥切にも三日月にも却下され、どうにか皆の気分を盛り上げようとするも上手くいかない。
「お、そうだ、Aはどう思う!?」
「わ、わたし…?……わたしは…げんせはきになるけど、はやくかえったほうがいいとおもう」
「Aもか…」
がっくりとうなだれる鶴丸。
さすがに諦めたのか、買い物が終わると大人しく本丸に帰った。
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