30、現世に買い出しに行ってほしいんだけど ページ4
「光坊は細かいな…
それにしても、みっちゃん、ねぇ」
「しょくだいぎりさん、って呼んだら、かたくるしいのはいいから、みっちゃんってよんでって」
鶴丸の独り言に近い質問に答えたAは、困ったように鶴丸を見上げた後、気になっていたことを口にする。
「ふくが、よごれてるよ」
滅多に誰も入らない場所のせいか、埃だらけだったようで、真っ白な服も髪も、すっかり汚れてしまっている。
「げっ…あとで着替えなきゃな…
そうだ、こんなものを屋根裏で見つけたぞ!」
一瞬、渋い顔をしたものの、すぐにそんなことは忘れたかのように手に持っていた袋を掲げる。
「なぁに、それ?」
「まだ見ていないが、なかなかおもしろそうじゃないか?」
にっと笑う鶴丸に、Aは難しい顔をする。
「でも、おそうじまだ終わってない」
「それぐらい後でよくないか?」
いいかげんなことを言う鶴丸に、ぷくっと頬を膨らませる。
「だめ」
頑ななAに、鶴丸は苦笑する。
「あ!鶴さんいた!もうっ、ちゃんと掃除してって言ったのに」
「み、光坊…」
引き攣った顔でのけぞる鶴丸に、燭台切は次々と小言を言い続ける。
「あ、A!ちょうどよかった。現世に買い出しに行ってほしいんだけど」
「あ、みだれ。現世?」
「ちょっとね、万屋に無いものだったんだ」
「うん、わかった。なにを買えばいいの?」
そこにやってきた乱が、笑顔でお金とメモを渡す。
「いち兄たちと勉強してたから、文字は読めるよね?
そこに書いてある物を買ってきてほしいんだ。おせちの仕込みをするのに足りないんだって」
「そうなんだ。大掃除で手が離せなくってね…かっこ悪いなぁ」
それまで鶴丸に小言攻撃をしていた燭台切が恥ずかしそうに頭を掻いた。
「いってくる」
「あ、ちょっと待ってて、1人じゃ不安だろうし、誰か連れてくるよ!
窓掃除は手が空いたみんなでやっておくから心配しないで!」」
ばたばたと乱が走って行き、連れてきたのは…
「買い出しか…うむ、行こう」
「…俺が写しだからなのか」
「…慣れ合うつもりはない」
波乱が起きる予感しかしない人選だった。
「あ、鶴丸も暇なんだったらついて行ってよね」
「おう、わかった」
と、いうわけで、現世に買い物に行くことになりました。
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