40、って言うわけで、現世に初詣に行こう! ページ14
「って言うわけで、現世に初詣に行こう!」
おせちも食べ終わり、新年の挨拶も一通り済ませたところで、乱がバッと立ち上がって叫んだ。
「みだれ?とつぜんどうしたの?」
「もー、前に話したでしょ〜!Aも初詣に行きたいって言ってたしさ、行こうよ」
きょとんとAが首を傾げると、もどかしげにさらに声を大きくする。
そういえば、初めて現世に行った昨日、返ってきたときにそんな話をしたような気もする。
色々なことがあったせいですっかり忘れていた。
「うん」
こくんと頷けば、乱は、ぱぁあっと顔を輝かせる。
「では、俺も行くかな」
「ダメ!三日月はお留守番!」
即座に三日月が同行を申し出ると、乱は即却下した。
「誰と行くのがいいかな〜。…結構、みんな二日酔いに苦しんでるなぁ」
う〜ん。と乱は悩む。
「みっちゃんは?」
「ごめんね、Aちゃん。後片付けとか、いろいろあって…」
「そっか」
Aが近くを通りかかった燭台切に声を掛けるも、申し訳なさそうに断られる。
「ん〜。あ、いち兄!Aと初詣に行こうって話をしてるんだけど、一緒に行こうよ!」
「ああ、いいよ」
一期は、にこやかに笑って、すぐに返事をする。
「あとは〜」
「……」
「……なんだ…」
Aは、身をひるがえして出て行こうとした人物の服の裾をしっかりと握り締め、引き止めた。
「いこう?」
「………わかった。わかったからそんな目で俺を見るな」
裾を握られて身動きの取れなくなった刀剣―山姥切は、Aにじっと見つめられるのに耐えられず、頷いた。
「よかったね、A!あ、ちょうどいいところに!大倶利伽羅も一緒に行こう!?」
「…なんで俺が……昨日も行ったばかりだ…それに、慣れ合うつもりはない」
山姥切を見て、嫌な予感がしたのか、立ち去ろうとしていた大倶利伽羅を乱は目ざとく見つけ、呼び止めた。
「Aが一緒に行きたそうにしてたんだもん。ね、A?」
「うん」
こくりとAが頷けば、大倶利伽羅は苦々しい顔になる。
「ほら、Aもこう言ってるし、行こう!」
「私からもお頼み申し上げる」
「……わかった」
乱の押しと、Aの眼力と、一期の笑顔に負け、しぶしぶと言った体で頷いた。
「あとは、誰か粟田口の中で探そうかな」
乱はいい笑顔でそう言うと、部屋を出て行った。
誰が乱の犠牲になるのだろうか…
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