39、おきないとだめだよ? ページ13
ぱちりと目を覚ますと、そこはいつもの部屋だった。
ちゃんと布団の中で寝ている。
自分で来た覚えはないし、なんでだろう?と首をひねっていると、寝落ちる寸前の会話がおぼろげに思い出された。
「…そっか、やげんがはこんでくれたんだ」
ともかく、そろそろ起きる時間のはずだ。
周りでまだ寝ている短刀の子たちも起こしてあげた方がいいのだろうか
「ごこたい、おきて。あさだよ。あつしも、ほら」
布団に足を取られて転ぶことのないように、慎重に足を運び、いまだ夢の中の短刀をゆすって起こす。
「…うぅん……おはよぉ、ございます…」
「…ん〜?…Aか…?おきる、おきるから…あと5分」
「だめ」
五虎退は、眠い目を擦りながら上半身を起こすが、厚はそのまま二度寝しようとする。
どうしようかと迷った末に、1つの案を思いつく。
「…みっちゃんに、あつしのぶんの食後のおやつ、なくしてもらおうかなー」
いつもよりも大きな声で、そう言う。若干棒読みだったが、厚はがばっと起き上がった。
本当に食後のおやつが大好きなので、そんなことになるとわかればすぐさま飛び起きるかもしれないとは思ったが、予想以上の速度で驚いた。
「まじか!」
「おはよう、あつし」
にこりと微笑みかけると、私の言った言葉の意味を悟ったらしく、ああ!と頭を抱えて、横目でじとっと、恨みがましく見てきた。
「嘘だな、A」
「おきないとだめだよ?」
「…まぁ、わかってんだけどさ」
自分に非があることはわかっているらしく、大きなあくびをしながら立ち上がる。
他の子も起こしてあげ、そのままみんなで洗面所に行き、顔を洗い、歯磨きをする。
その後、朝食を食べるために広間に来たのだけれど…
「うーわ…死屍累々だな…」
厚が言う通り、数振りの刀剣がごろりと寝転がったまま動いていなかった。
「…だいじょうぶ?」
「…ああ、Aかぁ……いやぁ、ちょっと飲みすぎて…頭痛くってね」
近くにいた次郎に声を掛ければ、うっすらと目を開け、ぼそぼそと答えてくれた。
どうやら、他の刀達も皆、同じような感じらしい。
「おや、Aか。あけましておめでとう」
「みかづき、あけましておめでとうございます」
そうしているうちに、三日月がやってくる。
どうやら酒もすっかり抜けたようで、いつもと同じ三日月だった。しかも、少しも頭痛や吐き気で悩んでいる様子がない。
ある意味、最強な刀剣であった。
40、って言うわけで、現世に初詣に行こう!→←38、…ああ、どういたしまして
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