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付き合ってから１ヶ月ちょっと。
大学からの帰り道で二宮くんが、うち来る？と言ってきた。バラエティ番組のテンションで、行く行く！とノリで返してしまったけど、これはマズイことじゃなかろうか。家って…そういうこと？今日の下着は何だったっけ…。ノリで返してしまったことに、何度も何度も考えを巡らせてたけど、二宮くんは私とゲームがやりたいらしい。
「前に言ってたの、覚えてる？そろそろAと戦いたいんだけど、って」
「あ…あぁ、覚えてる」
明らかに変な返しをしてしまった。
でも、ゲームがやりたいなんて、ただの口実じゃない？いや、本当にゲームをやりたいのかもしれない。いやいや、どっちもか？
ゲームがやりたいと言われても、やっぱり変に色々考えてしまって、二宮くんの家に着いたのが、あまりにも早く感じた。
まだ心の準備ができてないんですが……！！
でも、ビックリしたのは、本当にゲームだけだったこと。
「ねぇ」
「何？」
「今270にいる人が、レベル362の人のキャラクター扱えると思う？」
「いやぁ、そりゃあね！Aさんなら出来ますよ！」
バカにするのは、付き合ってからも変わらない。
練習で操作してたら、あぁ今死んだね、とか。362で出てきたキャラがこれなら弱すぎて相手も驚きだわ、とか。いつも通り色々茶化してきて。それが電話越しじゃないのが、何だかとても心地よかった。生の声を聞けてるっていうか。…なにそれ、私気持ち悪。
本当にゲームだけだったことに、安心したのか残念だったのか、よく分からないけど、一息つきたくて飲み物をもらった。冷蔵庫にスポドリあるから勝手に取って、と二宮くんが言ってくれた。
キッチンから見る二宮くんの猫背な背中は、体育祭の時初めて見た二宮くんを思い出して、それもまた心地よかった。あの丸い背中が、なぜか私を安心させた。
気持ちの動きって自然なもの。キッチンから離れて、二宮くんへ向かう私の足は、いつの間にか彼の後ろに到着してて。
私は多分、気持ちのまま自然に、二宮くんの背中に抱きついた。
ゲームのボタンを押す音が聞こえなくなって、二宮くんが手を止めてることが分かる。
「Aは爆弾落とすの、好きなの？」
彼の声は、こないだ電話越しで聞いた時よりも揺れてた。
「…」
「…」
「…」
「…大好き」
私の声に、二宮くんは振り向いた。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
