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「あんなの、外で言っちゃダメだよ」
…あんなの？
「昨日、Aとチカちゃんが飲んでた近くの席で飲んでた」
「えっ？」
「なんでAは、オレとも行ったことある店でそんなこと話してんの？」
…そうだった…そもそもあの店は二宮くんが誘ってくれた所だった。
バカなの？って楽しそうな声で言われた。
「バカだよ」
「認めるなんて珍しいね」
「でも二宮くんは、もっとバカだよ」
「ンフフ、知ってる」
言ってよ、昨日の。って茶化すように言う二宮くん。昨日のって何？訊いたら「大好きなんでしょ？オレのこと」と彼は言った。
─── 「…大好きなのになぁ」
今度ね、と答えたら、強めの何でだよ！が返ってきた。それは、照れが私の邪魔をしてくるからですね。
「でもこれだけは教えてあげよう、二宮くん」
「何でちょっと先生風なのよ」
「私が二宮くんのことを認識した、声をかけてくれたあの時。」
うん、と相槌が返ってきた。それが何なのよって感じで、私が何を言うか何も思ってないんだろうなって様子。
「私は二宮くんに一目惚れしたんだよ」
「…」
結構な時間、返事は聞こえてこなかった。そして彼はこう言った。
「Aって意外と爆弾落とす人なのね」
彼らしい返事だった。
「これから何回も落としてあげるよ」
「何、今度はSなの？」
すごく幸せな時間だった。物凄く好き、なんて真面目に告白してくれるクセに、一瞬で雰囲気を変えて笑い合える空間を作ってくれる。
でも。それから学校で初めて直接会っても、私は彼に対して態度を変えることが出来なかった。恋人としての。
ただただ、リードしてくれるのは二宮くんだった。
高校の頃の気持ちで付き合ってるなら、私も恋人の気持ちに変えられたのかもしれないけど、友達期間が長かったせいか、物凄く恥ずかしくて自分が“恋人”になれなかった。
でも二宮くんは、あれから物凄く私を大事にしてくれてるって分かる。そのせいで、私の好きはどんどん大きくなって行った。なのに、私はなかなか伝えられなかった。
それからまた私は、得意の練習をした。
大学生になった頃、二宮くんと喋るために寝る前にやってたこと。
何度やっても棒読みだったけど、それでもいいと思えるところまで来た。やっぱり、私の克服方法は練習らしい。確か二宮くんの先輩に、ありえないくらいの回数、練習を重ねる人がいるって言ってた。でもその人は、何事も完璧にこなすらしい。それは、私には無理だ…。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
