第五話 変化の戸惑い ページ9
ソウエイ視点
A様が一人でお出かけになられたので、護衛役になってしまった。
私はあのお方が少し苦手であった。彼女が笑うたびに皆の顔が変わる。
そして言う間でもなく私も変わるのだ。そんな自分に驚きが隠せなかった。
後をついてきたが私の事に気づいているようだった。流石はゴルヴェル。
しかし、私は考えたくなかった。あの強大な魔法を放つ者がこんな綺麗な方だと。
あの魔法はできるものにしかできない、上位魔法。一体彼女は何者なのだ。
「あの、ソウエイさんでしたか？どうして此処に。」
リムル様のお伝えにより、A様の護衛になったと伝えた。
彼女は少し複雑な顔をしながら、” そうですか ”と言った。
「ソウエイさん、私この森の空気が好きなのです。生い茂っている森の香りが。
私は前の人生で妹を失いました。護れない自分が悔しかったのです。だから強くなろう。
そう、決意しました。でも、私にはこの森の知識すらないのです。だから私に教えてください。」
真っ直ぐな目と彼女の香りが私の頭と心を惑わせる。
そして、リムル様にではなく私に頼まれたことが何より嬉しかった。
「かしこまりました、A様。貴女の為にこの世界を教えましょう。」
跪き、そして誓う。私は戸惑う。そして愛おしいと感じる。そんな感情が心地が良い。
貴女の為に働こう。貴女が笑っていて、安心できる場所になろう。
「ソウエイさん、私のことは名前で呼んで。そっちのほうが安心するの。
お願い、様なんて付けられたら壁があるみたいじゃない。壁を作りたくないのよ」
笑顔で甘える彼女は天使のようだった。
何故そこまで優しくなれるのかと思ってしまう。
いや、その優しさが彼女の弱点でもあるのだ。
その弱点をきっと彼女は知っている、だからこそこれまでの強さになったのだろう。
「わかりました、A。なるべく貴方が安心するように頑張りましょう。」
すると彼女は笑った。笑う瞬間に太陽の光が丁度良く差し込み
本当に神族なのだと改めて感じた。
「私は貴方みたいな人が好きよ。無口で無愛想かもしれないけど、
話してみないとわからない魅力がたくさん隠れているから。」
知恵を、知識を、そして” 愛を ”と。
この時間がもっと長く続けばいいのにと思ってしまう。
その感情にいつの間にか私は酔っていた。
そして、ランガから頭豚帝(オークロード)討伐の会議に二人は呼ばれることになる。
ーー
山北です。
3話分更新できてよかった。
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朱里(プロフ) - 続けてすみません。第十三話のエレンの名前が〇〇〇になってます。意図的だったらすみません (2021年12月11日 19時) (
レス) @page27 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 楽しく読ませていただきました！第四話から出でくる〇〇〇ジンとはどのキャラですか？ (2021年12月11日 19時) (レス) @page7 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - ユトさん» ユト様→ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたのでご覧になってまた違和感がありましたらご指摘お願い致します！ (2019年4月14日 19時) (レス) id: 79f5829be5 (このIDを非表示/違反報告)
ユト(プロフ) - とても面白いです！あと、ミリムの名前は、ミリム・ナーヴァですので訂正お願いします。 (2019年4月13日 6時) (レス) id: 7c4b452e79 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - 暇人114514号さん» 暇人114514号様→いつも読んで頂き有難う御座います。名前が同じとは光栄です笑 また、更新していくのでもしよろしければ又宜しく願い致します笑 (2019年4月4日 17時) (レス) id: 760c82b915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山北 | 作成日時：2019年3月20日 0時
