影山飛雄は番犬である【ハイキュー】 (ページ15)

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セッターじゃなきゃページ15

影山side

澤村「もちろん、顧問の了承を得た上でな」

『そんなッ…』

影山「ッ」

澤村「個人技で勝負挑んで負ける自己中な奴が司令塔じゃチームが勝てないからな」

嘘だろ……俺は………

澤村「どうした？お前なら他のポジションだって余裕だろ？」

影山「俺は！セッターですッ！！」

澤村「…勝てばいいだろ」

影山「…ッ」

ゲームは土曜の午前。
澤村さんは「いいな？」と言い残して体育館へ入って行く。

『ごめん飛雄…片付けあるから、先帰ってて』

影山「…いい、校門で待ってる」

『そ、そう？ありがとう』

Aに気ぃ使わせちまった…
身体を反転させて歩き出す。

くそ…イライラする…

日向「なんだよ…自分ばっかペナルティあるから怒ってんのか？」

日向が後ろでなんか言ってる。
「お前なら他のポジションも余裕だろ」とか「すぐにレギュラーになれる」だとか。

日向「セッターよりスパイカーの方がカッコいいじゃん！こう…スパーンッ！とーー」

影山「テメェェェェ！！」

日向「うわァァァ！？」

影山「セッターはチームの司令塔だろ！？試合中、ボールに１番多く触れるのがセッターだ！」

日向の胸ぐらを思わず掴む。

影山「支配者っぽくて１番カッコいいだろーが！！！……それに！」

日向「……そ、それに？」

Aが小学生の時、言ってくれた言葉を思い出す。
『飛雄の、トス、すごく綺麗！セッターの飛雄、カッコいいよ！』

影山「ッ～～ッ、なんでもねェ！」

日向「な、なんだよ！気になるだろ！」

Aは、セッターの俺をカッコいいと言ってくれた。
俺を、いっつもキラキラしてる目で見てくれた。

嬉しかった。

あの目で見られると、気分が上がる。
もっと、もっと頑張れる。

俺は、セッターじゃないとダメなんだ。