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教室に戻ると、さくらが黒板の前でチョークを握っていた。
黒板には先生達の写真と、5人の名前。
なんだ、これ。

「じゃあこれから、澪奈のフェイク動画を依頼した犯人を探したいと思います」

いいタイミングでさくらが疑問に答えてくれた。

振り返ると、香帆が手招してくれたので、空いていた近くの席に座る。

香帆は私が座るのを見届けると、

「ねえ、なんでさくらが司会なの?
また奴 隷扱い?」

諏訪さんを睨むように見遣った。

「…勝手に立候補したんだよ」

諏訪さんは釈然としない顔で否定する。
その様子から見ても、それは本当なんだろう。
きっと、今の諏訪さんはそんなことをするような人じゃない。

「あ、ほんとだよ」

さくらが慌てて言う。

「澪奈の真相を突き止めるには、まずは自分が動かなきゃと思って」

「…ならいいけど」

納得してどこか安心した表情を浮かべる香帆を見て、香帆は友達への想い入れが強いんだなと思った。
そしてそれが、今はいい方へと変わっている。

仕切り直すように話を切り出す、司会さくら。

「みんなの話を整理すると、この5名が候補になるのかなと」

黒板に書かれた名前は5つ。

校長先生。
森崎先生。
佐久間先生。
武智先生。
坪井先生。

「はい、校長はないと思う」

兵頭君が手を挙げて言った。

しかしすぐさま反対意見が出る。

「いや、そんなことないよ。
前に校長が景山さんのこと愚痴ってたの聞いたことあるし。
スター選手がいるから、マスコミが頻繁に出入りして迷惑だって」

事なかれ主義の校長なら、言いそうだな。

「じゃあ、とりあえずジェイホワイトにしときますか」

…ジェイホワイト?

そう思ったのは私だけじゃないようで、「ジェイ…?」「何ジェイホワイトって」とざわめきが生まれている。

戸惑いの視線を投げかける私に気づいたのか、さくらは私の方を見る。
きょとんと首を傾げたあと、にこっと笑ってくれた。
…可愛い。でも私が今求めてるのは笑顔じゃない。

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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月16日 0時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
7star(プロフ) - 初めまして!読み進めるほどドキドキして胸がギュッと締め付けられます。作者様のペースで更新されるのを楽しみに待ってます! (2020年7月15日 21時) (レス) id: f3e580ba40 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 読んでて切なくてきゅんきゅんしてます!何度も何度も読み返してます!更新楽しみにしています!頑張って下さい、応援しています! (2019年6月2日 14時) (レス) id: 2af5865e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年5月11日 0時

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