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茶番劇『黒百合、初期化する』 ページ10

《※本編とは違う時間軸。『戦国BASARAバトルパーティー』のアイテムネタあり》

「あー、お腹空いたぁー」


三河、徳川屋敷。
自室で書物を読み終えたAは突如訪れた空腹感に耐え切れず、思わず独り言を呟いた。

すると、天井を見上げていたAの視界に長髪の男が顔を覗き込む。


「でしたら丁度良いものが」

「ぎゃぁぁああ!?」


音もなく現れたその男に驚き、曲者と勘違いして武器である短刀を投げつける。
男は華麗に身体をくねらせて、襲いかかった短刀の攻撃を避けた。


「酷いですねぇ……もしかして結構怖がりですか?」

「いきなり来たからびっくりして短刀投げてしまったじゃないか!せめて部屋に入るなら一言声かけてくれ!」

「おや、これは申し訳ない。随分集中して書物を読んでいたので私なりに気を使ったつもりでしたが」


肩で息をするAの反応を楽しんでいる男の名は天海。
彼は乱れた髪を整えてから話を本題へ戻した。


「小腹が空いているのなら丁度良いものがありますよ」


どこからともなく取り出したのは玉手箱のような箱。
何やら警戒しているAを横目に、丁寧に結んであった紐を解き、中を開く。
そこには団子のようなものが詰まっていた。


「……団子?いや、丸薬か?」

「こちらは一つ食べるだけでお腹が膨れるという代物でしてね。伊賀者や甲賀者の忍びも重宝しているとか」

「……なんでお前がそんなもの持っているんだ」

「金吾さんがいつもお腹を空かせているので試しに取り寄せてみたんです。貴方は何やら私を警戒しているようですのでお近付きの印にお一つ……いかがですか?」


まるで御伽草子にありそうな展開だ。
マスクをして表情が読み取れない天海の言葉を素直に信じていいものか疑わしい。
しかし、本当にこれを一つ食べるだけで空腹が満たされるのだろうか。

考えるうちにAの心には好奇心が芽生えてくる。


「じゃあ、お言葉に甘えて一つ……」


掌よりも小さいそれを一つ手に取った。
一口食した瞬間、酷い眠気に見舞われ、Aはそのまま意識を失ってしまった。


「クククッ……さて、これからどうなるか見ものですねぇ……」

謎→←想【一・五章 完】



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黒薔薇の奏者(プロフ) - 三楓さん» 楽しみに待たせていただきます! (2020年3月23日 6時) (レス) id: a44cb40253 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 黒薔薇の奏者さん» 私の作品を好きになっていただきありがとうございます!これからも出来る限りではありますが執筆したいと思うのでどうぞよろしくお願いしますヽ(*´∀`)ノ (2020年3月22日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩ハムさん» 完結まで見ていただきありがとうございました!新作は近いうちにまた書きたいなと思っていますが、気長に待っていただければ幸いです(*´∀`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇の奏者(プロフ) - いろいろな作品を読ませていただいました。三楓さんの作品がとても好きです。ドキドキが止まりません。(語彙力がなくてすみません…)応援しています! (2020年3月22日 20時) (レス) id: a44cb40253 (このIDを非表示/違反報告)
彩ハム(プロフ) - わぁぁ!完結お疲れ様です!もう本当に更新される度に瞬時にきましたw新作……!楽しみに待ってます(*´ー`*) (2020年3月22日 3時) (レス) id: a7920f32a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2020年3月13日 1時

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