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「それで、Aがこうなった原因は何だ?」

「孫市によれば、『初期化丸薬』のせいじゃないかって」

「初期化、丸薬……?なんっスかそれ?」

「どこで作っているのかも分からない貴重な秘薬でな。噂では一つ食べると新たな自分に生まれ変わると言われているらしい」

「生まれ変わるどころか退化しているのだが」


三成は抱えたAを見下ろして何とも言えない顔をする。


「でもなんでAさんがそんなものを?」

「それは本人に直接聞いてみないと分からないが……とりあえず明日まで様子を見ろと言われた。丸薬の効果が切れれば治るはずだと」

「よかったっスねAさん!」


何も知らないAはキョトンとして左近たちを見ている。


「姉上の面倒を見てくれてありがとう。後は三河でゆっくり休ませることにするよ。さあ姉上、三河へ帰ろうか」


家康がAの方へ手を伸ばす。
Aを引き渡そうとした瞬間、何かを思い出した三成が「あ」と声を発した。


「ん?どうしたみつな__」


ゴンッ、と鈍い音が家康の頭上に落ちる。
当たり所が悪かったのか、家康は殴られた頭を押さえてしばらく唸っていた。


「〜〜っ!き、急に何するんだ!?」

「貴様が戻って来たら一発殴ろうと思っていた。危うく忘れるところだったが」

「答えになっていないぞ!」

「さっさとAを連れて帰れ。餓鬼の子守りは性に合わん」


抱えていたAを家康へ返す。
やけに静かになったかと思えば、家康に抱えられて安心したAはうとうとし始めた。


「……不思議なものだな。こうして幼い姉上を抱えるというのは。よしよし、一緒に帰ろう」


再び三成たちに礼を言って、家康は忠勝の元へ向かう。

彼に抱えられて眠そうにしているAは目を擦りながら遠ざかる三成たちに小さな手を振った。


「……今更無駄かもしれないけど、強さとか責任とか忘れさせて遊びたいように遊ばせたかったなぁ……」


Aに手を振り返しながら左近はこれからあの小さな子が辿る過酷な道のりを哀れんだ。


「Aさんに限った話じゃないっスけど、あの年頃の子に色々背負わせるのは……なんか、違う気がする。これ以上Aさんみたいな子が増えないように、秀吉様には早く天下取って欲しいっスね」

「どうした貴様らしくもない。頭でも打ったか?」

「ひっで!俺だって色々考えたりしますよ!」

犠【茶番劇 完】→←解



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黒薔薇の奏者(プロフ) - 三楓さん» 楽しみに待たせていただきます! (2020年3月23日 6時) (レス) id: a44cb40253 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 黒薔薇の奏者さん» 私の作品を好きになっていただきありがとうございます!これからも出来る限りではありますが執筆したいと思うのでどうぞよろしくお願いしますヽ(*´∀`)ノ (2020年3月22日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩ハムさん» 完結まで見ていただきありがとうございました!新作は近いうちにまた書きたいなと思っていますが、気長に待っていただければ幸いです(*´∀`*) (2020年3月22日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇の奏者(プロフ) - いろいろな作品を読ませていただいました。三楓さんの作品がとても好きです。ドキドキが止まりません。(語彙力がなくてすみません…)応援しています! (2020年3月22日 20時) (レス) id: a44cb40253 (このIDを非表示/違反報告)
彩ハム(プロフ) - わぁぁ!完結お疲れ様です!もう本当に更新される度に瞬時にきましたw新作……!楽しみに待ってます(*´ー`*) (2020年3月22日 3時) (レス) id: a7920f32a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2020年3月13日 1時

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