隠れ家 ページ17
近江にある佐和山城。
そこで左近はこっそり番人を匿っていた。
“左近の生き別れた妹”という設定で通しているが、意外にもバレていない。
事情を知る刑部が協力してくれているお陰もあるだろう。
佐和山の城へ戻ると、まずは刑部に交代することを伝え、自室へ戻ろうとする。
その道中、人の気配を感じてふと後ろを振り返った。
そこにはこちらの様子をじっと見つめる新しい着物を来た番人。
「へへっ、結構似合ってんじゃん」
「お前、今までどこに行っておったのじゃ!私はお前がおらぬ間散々あの包帯男にちょっかいを出されてじゃな!」
「へぇ、刑部さんと仲良くなったんだ」
「そんなわけがあるか!」
むすっと不満そうな番人。
どこからどう見てもただの人だ。
いや、ただの人にしか見えない。
その人が、しかも女の子が、日ノ本中から狙われている。
そう思うと胸が痛くなった。
歩み寄っても彼女はきっとこちらを信用してくれない。
今まで散々裏切られたのだから仕方ないと言ってしまえば簡単だが。
だからこそ左近は、なるべく純粋な気持ちで番人に接した。
「なぁ、番人さん。アンタも番人って名前じゃないだろ?よかったらアンタの名を教えて欲しい」
番人は少し眉を潜めた。
嫌がっていると察した左近が慌てて訂正する。
「あ、嫌ならいいんだ!ただ名無しなのはきついかなって」
「名は、捨てた。それに私は人ながらに神に仕える者。名など不要じゃ」
「やっぱアンタは人なんだよな?」
「失敬な。私が怪異に見えるか?」
「いや、Aさんもあんな成りだし。二人の関係もちょっと気になって」
「狗女のことか。よいか左近とやら、あの女は大抵嘘しか言わぬ。私を助けたいのならあの女だけは信用するな」
「あのさ、Aさんって何者?」
番人が一瞬何かを言いかけたが、左近にはそれが聞き取れなかった。
聞き取れたのは最後の方。
「人間だが、不完全体。私が言えるのはそれだけじゃ」
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三楓(プロフ) - ななさん» コメありがとうございます!お褒め頂き光栄です。続編も閲覧していただければ幸いですヽ(*´∀`)ノ (2019年6月16日 13時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - とっても面白かったです!次も楽しみにしてます!!(o^^o) (2019年6月14日 22時) (レス) id: 404dff81b9 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ヒャッハー(゚ω゚)さん» コメありがとうございます!更に楽しんでいただけるよう頑張ります(*´∀`*) (2019年6月7日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ヒャッハー(゚ω゚) - いつも見てます(^^) 配信楽しみです (2019年6月7日 7時) (レス) id: c172e98498 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 紫月姫さん» お久しぶりです!コメントありがとうございますヽ(*´∀`)ノ更新できる時はなるべく更新したいと思いますので、またよろしくお願いします! (2019年5月26日 13時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2019年5月26日 13時