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予備軍 ページ22

「A、もう起きて大丈夫なのか?」

「うん。だいぶ良くなったよ」


仕切りの襖の向こう側には、本を読む三成君の姿があった。
私はその姿を見てほっとする。

三成君は本を閉じて机に置いたあと、私の額に手を当てて体温を確認した。


「……熱は下がったようだな」

「三成君が看病してくれたお陰だよ。ありがとう。気持ちの方も大分落ち着いたし、今日はこのまま帰ろうと思うんだ」


気持ちが落ち着いたのも体調が回復したのも本当だけど、本当はもう少し一緒に居たい。
でも一晩泊めてもらったし、長居し過ぎるとかえって三成君にも迷惑がかかってしまうだろう。

今日はこれ以上彼に甘えすぎるのは良くない、と昔から真面目な私が頭の内側で煩く言って来る。


「そうか。ならば私が送って行ってやろう。道中倒れても困るしな」

「少し眠ったら良くなったし大丈夫だよ。あ、そういえばこれが部屋にあったんだけど……」


そう言って私は右手に握っていた鍵を三成君に差し出す。すると彼は一瞬だけ目を見開いて、私の手からその鍵をひったくるように奪った。

思わずきょとんとしていると、鍵をズボンのポケットに入れながら三成君が罰悪そうに呟く。


「これは先程探していた物だ。大切な鍵でな」

「そうなんだ。見つかってよかったね」


……大切な鍵、ね。
家の鍵かなとも思ったけど、彼の家の鍵には、中学生の時の修学旅行で買った綺麗な音が鳴る鈴のキーホルダーが付いている。


なら何の鍵だろうか。


興味本位で尋ねてみたかったけれど、呼びかける前に口を噤んだ。


もしかしたら彼のプライベートに関わることかもしれない。

私は三成君の彼女ではないし、異性の友人としてその領域に踏み込むのはなんだか違う気がした。



あぁ、でも気になる。
私に隠し事なんてして欲しくない。




彼の全て把握したい。




彼の全て理解したい。



……なんだかストーカーっぽい?


いや、大丈夫。
私はまだそこまで落ちていない。

これが監視カメラとか盗聴器とか使いだしたら本当に重症だけれど。

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設定タグ:戦国BASARA , 石田三成 , 三楓
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三楓(プロフ) - なりさん» コメありがとうございます!私の作品を楽しんでいただきとても光栄です。三成様のヤンデレいいですよね(*´∀`*)これから段々病んでいく予定なので楽しみにしていただけると幸いです! (2018年8月15日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
なり - 三楓さんの書かれるお話が本当に大好きです。色々な小説を読んできましたが三楓さんの小説が私にとっては一番楽しく読めるものでした。これからも更新楽しみにしております。三成のヤンデレ小説最高です。 (2018年8月15日 1時) (レス) id: b82bc533b6 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - ryuryuさん» コメありがとうございます(*´∀`*)ちまちま更新ながらも応援して下さりありがとうございます。とても励みになります! (2018年7月30日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 那覇さん» コメありがとうございます(*´∀`*)執筆中はゲシュタルト崩壊して「ん?」となってしまう時がありますが、そのように言って頂けてとても嬉しいです!これからも頑張ります! (2018年7月30日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 梨湖さん» コメありがとうございます(*´∀`*)前作に引き続いてのヤンデレですが(笑)楽しんでいただければ幸いです! (2018年7月30日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2018年7月3日 18時

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