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あの日の誓いに ページ6

幼き頃。

それは、腕試し(・・・)のつもりだった。


「がっ……」


身体が思うように動かない。

口の中は鉛の味がする。


「頼む!もう許してやってくれ!」


そう叫ぶ友の声。

目の前で両手を広げ、()を守ってくれている。

あれだけ大口を叩いておきながら助けられてしまうなど、異常なまでの歯がゆさで胸が疼く。


「許す?戦を仕掛けてきたのはそちらだろう?」

「戦ってわけじゃ……俺たちはただ腕試しを!」

「力のない者は何をされても仕方が無い。戦には死が付き物だ。彼はそれを、身をもって経験した」

「止めてくれ!殺さないでくれ!俺の大事な……友達なんだ!」


ああ、俺が弱かったから……

アイツまで巻き添えにしてしまった。


俺に力が無いから…

あの男に勝てなかった。


俺はなんと、無力な存在だ。


全ては力なんだ。

無力は罪なんだ。

弱い者は、死ぬ。


だから強さを求めた。



全てを守るために、一度全てを捨てて。

*******

「は、はははっ」


首を掴まれても尚、その男は笑っていた

…ここで決着がつくのならばそれでも構わない。

所詮この男はきっかけに過ぎないのだから。

この因果を断ち切って、力こそが全てだと日ノ本に証明して見せる。


秀吉「消え去るが良い。我が始まりの楔、松永久秀」

久秀「……実に素晴らしい共鳴だ、幼き日の少年よ。最後としては申し分ない」

秀吉「何?」


眼前に迫った奴の片手が音を鳴らす。

何も考える暇すらなく、巨大な炎の渦に包まれた。



愛する者を殺し、友を捨てた。









……だが我は最後に、約束だけが捨てられなかった。








あぁ……これは、全てを捨てることが出来なかった我への裁きなのか?






業火の中でただ、灰となっていく明日に手を伸ばした。

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三楓(プロフ) - snowさん» コメありがとうございます!楽しんでいただけて幸いです(*´∀`*)ちまちま更新ですが頑張ります! (2018年3月18日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初から見たのですが楽しいです、みてハラハラします!これからも頑張ってください! (2018年3月18日 19時) (レス) id: 336a57e8b1 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 琴音さん» コメありがとうございます(*´∀`*)更に楽しんでいただけるよう頑張ります! (2018年2月4日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!いつも楽しく見させていただいています! (2018年2月4日 14時) (レス) id: 63b6d3a152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2018年2月4日 14時

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