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瀬戸内と風来坊 ページ49

「あちゃー、もう始まってたか」


京へ辿り着いた慶次は、右手を水平にしたまま額にそれを当てる。

その後には雑賀衆、長曾我部軍そして交渉に成功した毛利軍までもが揃っていた。


慶次「毛利さん、御所の裏口はどの辺にあるんだい?」

元就「裏口はない。ただ、帝の元へ辿り着つくためには『朱黒(しゅごく)』を突破せねばならぬ」

慶次「朱黒?なんだいそれは」

元就「道楽が高じた帝が創り直した面倒な代物よ」


この御所には、(あか)と黒の扉がある。

義輝の元へ辿り着くためには、どちらかの扉を開かなければならない。


但し、正解はどちらか一つ。


賭事好きの帝が創り上げたその難関を、人は『朱黒』と呼んでいた。



元就「間違えれば伏兵が待ち構えておる。門番とは比べ物にならぬほどの数だ」

孫市「何とも面倒だな」


また、正解の扉は義輝の機嫌によって違う。

必ずしも昨日と同じ正解だとは限らないと元就は付け加えた。


元親「ごちゃごちゃ言ってる暇はねぇだろ。行かなきゃならねぇのに変わりねぇ!」


元親は仲間を連れて、先に辿り着いていた政宗、幸村らの加勢にまわる。


元就「ふん、所詮安芸安泰のための下準備でしかないわ」


輪刀構え、元親のあとに元就が続いた。


慶次「とりあえず俺はその朱黒ってやつを拝んでくるけど、孫市、アンタはどうする?」

孫市「今の我らの雇い主はお前だ。お前が望むなら護衛なり何なりしよう」

慶次「いやいや、アンタを守るのは俺の方だよ。惚れた女を守れなきゃ男じゃねぇってね!」


口説く慶次に、孫市はふっと口元を緩めた。

出会った時から惚れた惚れたと言ってくる慶次の嘘を、孫市は既に見抜いていた。




全てはこの作戦を実行するため、雑賀衆(われら)に近づくための口実に過ぎない。





家康も中々の道化師だが、慶次も似たようなものだと感心していた。




孫市「お前は相変わらず虚勢だけは立派だな」

慶次「ん?それどういう意味?」

孫市「いや。ならばそうだな、お前の言う通り我らはお前に守られてやろう」

凶が望むもの→←蒼紅



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三楓(プロフ) - snowさん» コメありがとうございます!楽しんでいただけて幸いです(*´∀`*)ちまちま更新ですが頑張ります! (2018年3月18日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初から見たのですが楽しいです、みてハラハラします!これからも頑張ってください! (2018年3月18日 19時) (レス) id: 336a57e8b1 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 琴音さん» コメありがとうございます(*´∀`*)更に楽しんでいただけるよう頑張ります! (2018年2月4日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!いつも楽しく見させていただいています! (2018年2月4日 14時) (レス) id: 63b6d3a152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2018年2月4日 14時

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