光と影 ページ40
三成たちが去った後、Aはただ一人、城に残った兵士の目を掻い潜って倉庫へ向かう。
倉庫の奥に押し込まれていた葛篭を開けると、そこには薄汚れた刀と刀傷がついた鎧。
兵士だった頃、Aが使用していたものだ。
ごくりと生唾を飲む。
秀吉『殺生もできないお前が人を殺せるのか?』
いつぞやに問いかけられた言葉。
あの時は必死だった。
......でも、今は違う。
人を殺すためじゃない。
犠牲者を最小限で済ませるために、私はこれを使う。
A「……ごめんなさい三成。待つことは性にあわないんです」
久しぶりに身につけた鎧は、今まで背負ってきた命の重さがのしかかっている気がした。
*******
大阪へ向かっていた東軍の進行を阻止するため、西軍が挙兵。
そして両軍は関ヶ原にて相見えた。
関ヶ原には濃い霧が立ち込める。
数は僅かに東軍が有利。
しかし西軍には鬼島津や屈強な豊臣の兵士が揃っていた。
刑部「数では劣っているものの、特に問題なし。唯一動いていないのは長曾我部と金吾の軍勢だけか」
三成「ふん、放っておけ。家康の首を取れば全て終わる」
本陣の幕を上げ、三成も戦場へと足を踏み入れた。
霧のせいもあってか、徳川本陣はここからでは見えない。
味方兵の最前線まで辿り着き、自ら先陣を切った。
左近「三成様に続け!一人でも多く倒して道を開けるんだ!」
左近が味方兵の士気を高めてくれるお陰で、三成が雑兵らに刃を向けることは無い。
ただ真っ直ぐに、敵の本陣へと向かった。
風になびく三つ葉葵の旗印。
憎んで憎んで憎んでようやくここまで辿り着いた。
かつての同僚。そして友。
家康「久しぶりだな。三成」
全てを照らすようなその笑みが
日ノ本全てを絆で治めようとするその世迷言が
秀吉様を殺し、A様を惑わせた。
三成「私は貴様を許さない。ここで死ね、家康」
家康「それは出来ない。ワシにはこの戦の先に望むものがある。それまで死ぬつもりは無い」
三成「ならば私が断罪してやる。今のうちに自らの罪を懺悔しろ。許しを望んで乞い願え!」
刹那、三成の斬撃が家康に襲いかかる。
武器を持たない家康は刀が下りた隙を見計らい、拳を突き上げた。
三成「ぐっ……!」
家康「ワシは進むぞ三成!例えこの場で友を殺すことになっても!」
三成「誰が、誰が貴様を友であると許可したァ!」
40人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三楓(プロフ) - snowさん» コメありがとうございます!楽しんでいただけて幸いです(*´∀`*)ちまちま更新ですが頑張ります! (2018年3月18日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初から見たのですが楽しいです、みてハラハラします!これからも頑張ってください! (2018年3月18日 19時) (レス) id: 336a57e8b1 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 琴音さん» コメありがとうございます(*´∀`*)更に楽しんでいただけるよう頑張ります! (2018年2月4日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!いつも楽しく見させていただいています! (2018年2月4日 14時) (レス) id: 63b6d3a152 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:三楓 | 作成日時:2018年2月4日 14時