説き伏せよ ページ34
左近「あ、A様!」
屋敷へ戻ると、出立時には居なかった左近がAを出迎える。
A「ただいま戻りました」
左近「お帰りなさい。刑部さん呼んで来るっス!」
部屋で政務をしている刑部を呼びに行こうと走り出した左近に、Aは慌てて待ったをかけた。
A「島殿、三成はいますか?」
左近「いやーそれがさっき甲斐に行ったばかりで…」
A「……そうですか」
まだ少しばかり時間があるという安堵と、純粋に会えなかった落胆が混ざり合う。
すると左近はそんな彼女を見てニヤリと口角を上げた。
左近「そんなに会いたかったんっスか?もしかして三成様のこと好きとか!」
A「ええ、好きですよ」
恥じらって慌てふためくかと思いきや、堂々とそう言い放ったAの素直さに驚いたのち左近は自分のことのように喜んだ。
左近「この場に三成様いないのスッゲー悔しい!」
A「は、はぁ……?」
何故左近はこうも喜んでいるのか。
とりあえずAは、刑部の元へ行く前にはしゃぐ左近を落ち着かせることにした。
*******
左近に案内され、刑部の部屋を訪れたA。
丁度政務が一通り終えたのか、刑部は自室で八つの数珠を丁寧に磨いている。
刑部「戻ったか姫君」
A「はい。大谷殿も帰って来ていたのですね」
刑部「どうやら姫君と入れ違いだったようでなァ。見送りできず申し訳ない」
A「いえいえ気にしないでください。ちょっと着物を返しに行っただけですから」
他愛もない会話の最中、ふとAはある考えを思いついた。
先に石田軍の副将である刑部を説得できれば、三成を説得する時に何かと有利なのではないか?
勿論左近に手伝ってもらうという方法も考えたが、刑部の方がうまい具合に手助けしてくれるかもしれない。
A「大谷殿」
Aはその場に座り、深々と頭を下げた。
突然土下座をしてきたAに驚いた刑部は何度も顔を上げるよう催促するが、彼女が頭を上げることはない。
A「三成の友人である汝であるからこそ頼みたいことがあります」
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三楓(プロフ) - snowさん» コメありがとうございます!楽しんでいただけて幸いです(*´∀`*)ちまちま更新ですが頑張ります! (2018年3月18日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初から見たのですが楽しいです、みてハラハラします!これからも頑張ってください! (2018年3月18日 19時) (レス) id: 336a57e8b1 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 琴音さん» コメありがとうございます(*´∀`*)更に楽しんでいただけるよう頑張ります! (2018年2月4日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!いつも楽しく見させていただいています! (2018年2月4日 14時) (レス) id: 63b6d3a152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2018年2月4日 14時