侘しさ ページ2
加賀で昼餉をご馳走になった元親とA。
食べ終わるなり、Aはまつと別室へ向かった。
まつ「せめてお召し物を。これをお使いください」
まつがタンスから取り出したのは小袖。
ちなみに今Aが来ている衣服は男物の着物で、大きさがあっていないせいか肌が露わになっている部分が多い。
いつまでも寝間着のままではいられないと元親が用意してくれたものだったが、まつには見ていられなかったようだ。
A「すみません。お借りします」
まつから小袖を受け取り、Aは早速それに着替える。
その間まつは部屋の外で待機することに。
まつ「慶次から聞きましたよ。A殿が姫になったと…」
A「はい。兵士は随分前に辞めました」
わざとおどけた口調で言う。
正しくは
まつ「左様でございましたか。……でも、まつめはそれでよかったと思います」
A「え？」
障子越しにAはまつの方を振り返った。
まつ「A殿が兵士として秀吉殿について行くと知った時、慶次は止められなかった自分を悔やんでおりました。以前の秀吉殿とは違うのに、何故A殿は迷いなくついて行けたのかと。秀吉殿の心も、A殿の心も自分には分からないと」
A「……」
まつから借りた小袖を握りしめ、Aはゆっくりと目を伏せた。
A「……私も、分かりませんでした。秀吉様の心が分からなかったから、知りたかった」
まつ「……左様でしたか」
まつは静かに納得してくれた。
まつ「A殿、折角ですからこのあと慶次と話してやってください。あの子はああ見えて、結構寂しがり屋ですから」
A「……はい」
小さく呟く。
着替えた小袖はぴったりの大きさだ。
Aは障子を開き、外で待っていたまつに礼を言う。
A「丁度いい大きさです。本当にありがとうございます」
まつ「とても似合っていますよ。A殿」
優しいまつの微笑みに、Aはつられて笑みを返した。
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三楓(プロフ) - snowさん» コメありがとうございます！楽しんでいただけて幸いです(*´∀｀*)ちまちま更新ですが頑張ります！ (2018年3月18日 21時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初から見たのですが楽しいです、みてハラハラします！これからも頑張ってください！ (2018年3月18日 19時) (レス) id: 336a57e8b1 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 琴音さん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更に楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月4日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 続編おめでとうございます！更新頑張って下さい！いつも楽しく見させていただいています！ (2018年2月4日 14時) (レス) id: 63b6d3a152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2018年2月4日 14時
