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忍の里 ページ4

なんだかんだ言いつつも、気が付けば佐助は故郷があった場所に足を運んでいた。


佐助「やっぱ…なんもないよね」


荒れた大地、荒んだ民家、僅かな腐臭。

佐助が里を去った時よりも更に酷い状態で、滅びという言葉がまさにお似合いだった。


佐助「ま、滅ぼした原因は俺様だけどあえて言うわ。…酷い有様になってんな」


誰に言うでもなく、ただ里自体に佐助は語りかけた。

ここで佐助とかすがと、あともう一人の幼馴染は育った。


佐助「…そういや、あいつ元気にしてるかな」


ふと佐助は、かすがとは別のもう一人の幼馴染の顔を思い浮かべた。

三人でよく修行したり、食事をしたり、夜には誰が流れ星を見つけられるかといった幼少期を過ごした。

だがそんな楽しかった日々を、佐助は自らの手で壊した。


里を滅ぼすという形で…。


そのあとかすがは里の者と縁を切り、上杉の忍へ。

佐助は武田の忍へ。

そしてもう一人は…。


佐助「今頃どこで何やってんだか…」


懐かしさに目を細めつつ、佐助は里に背を向けた。

これ以上ここにいても無駄なようだ。

それに、もうそろそろ殴りあいも終わっているはず。


佐助「さて、帰りますかね」


佐助が里を出ようとしたその時だった。








「…誰?」




滅んだはずの里で、声がしたのだ。

里に背を向けたはずの佐助は思わず振り返って辺りを警戒した。


佐助「気のせいか?」


寂びた里に変わった様子はない。

だが、佐助は里の奥にある御神木に目が留まった。

随分昔に鍛錬で使われていた御神木に巻かれている注連縄の位置が明らかにおかしい。

注連縄は地面についてしまうほど下の位置に巻かれていたのだ。

不自然に思った佐助は御神木の裏を確認してみた。


佐助「なっ…!」


御神木の注連縄よりも細い注連縄が何かを縛っている。

その先にあったのは、華奢な人の足。

足の方から目線を上げていくと、そこには地面に座り込んだ一人の女がいた。

囚われの身→←幼馴染



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三楓(プロフ) - ゲーム好きの酢昆布さん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで閲覧頂きありがとうございました(*´∀`*) (2021年11月7日 14時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
ゲーム好きの酢昆布(プロフ) - 好きです、、、ありがとうございます。佐助、、好きだ、、主さん、、、ありがとう、、 (2020年11月7日 1時) (レス) id: 6552225290 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます!最後まで見てくださりありがとうございました(*´∀`*)次作も武田軍なので、佐助さんはもちろん出演します。そちらでは普段の佐助さんになる予定(?)なので、見てくださると嬉しいです! (2017年9月28日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!基本的に明るい佐助のいつもの気楽さが抜けたりとそういったギャップも書かれていて、とてもドキドキしてました笑、次作も楽しみにしています! (2017年9月27日 23時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます。改めまして、リクエストしていただきありがとうございました!あくまでも私の勝手なイメージ全開ですが、佐助らしさが伝われば幸いです(笑)引き続き更新頑張ります(*´∀`*) (2017年9月20日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年9月9日 8時

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