黄昏時の御伽噺6 ページ18
A「長…。さ、佐助は何も悪くありません!ただ私に…」
「佐助を運んでおけ」
長が合図を出すと気の上にいた忍の一人がぐったりとした佐助を担いだ。
A「長!」
「取って食いはしない。ただ寝床に運ぶだけだ。それとも、罪人としてお前の前で処刑してみようか?お前の友を」
A「や…止めてください!呪いは必ず習得しますから!」
「A、お前は呪いと言う意味をちゃんと分かっているのか?呪いというのはな」
Aの顔を片手で掴み、長はその冷たい視線でAを見下した。
「怨恨…つまり恨みが高まってやっと完成するんだ」
A「っ…」
「理不尽に暴行を受けてもお前は俺の為と耐えているようだが…そんなことをしては意味がないんだよ。理性を殺せ。ひたすら俺を、全てを恨め。そうすればお前は呪いを操れる最強の忍になる」
長はにやりと口角を上げる。
「その大役をお前に任せたのは何故だか分かるか?」
Aは首を振った。
「お前が…邪魔だからだよ」
A「…え?」
「お前には感性がある。花が美しい、星が綺麗といった感性がな。だがそれは忍には不必要なものだ。ましてやそれを佐助やかすがに教えるとは…。お前はなんだ?この里から欠陥品を増やすつもりか?」
A「私はそんなつもりじゃっ…」
「安心しろ。例えお前が失敗して死んでも、代理はいくらでもいる。佐助やかすがだって記憶を消せさえすればお前のことなど忘れる」
戦で両親を亡くしたA。
全てを失った彼女は、いつしか自分を救ってくれた長が全てになった。
長のお陰で、里で将来有望ともてはやされたり、後輩の面倒を見ることを任された。
それなのに
A「私は、一体何なのでしょうか…?長にとって、里の人たちにとって私は…!」
「お前は、実験台の一つに過ぎない。呪いを手にすることが出来れば優秀。できなければ駄作」
A「っ…」
「存在意義が欲しければ、死ぬ覚悟でやるんだな」
Aの心に、鋼鉄に似たものが突き刺さる。
私の居場所は…どこにあるのだろうか?
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三楓(プロフ) - ゲーム好きの酢昆布さん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで閲覧頂きありがとうございました(*´∀`*) (2021年11月7日 14時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
ゲーム好きの酢昆布(プロフ) - 好きです、、、ありがとうございます。佐助、、好きだ、、主さん、、、ありがとう、、 (2020年11月7日 1時) (レス) id: 6552225290 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます!最後まで見てくださりありがとうございました(*´∀`*)次作も武田軍なので、佐助さんはもちろん出演します。そちらでは普段の佐助さんになる予定(?)なので、見てくださると嬉しいです! (2017年9月28日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!基本的に明るい佐助のいつもの気楽さが抜けたりとそういったギャップも書かれていて、とてもドキドキしてました笑、次作も楽しみにしています! (2017年9月27日 23時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます。改めまして、リクエストしていただきありがとうございました!あくまでも私の勝手なイメージ全開ですが、佐助らしさが伝われば幸いです(笑)引き続き更新頑張ります(*´∀`*) (2017年9月20日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年9月9日 8時