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黄昏時の御伽噺4 ページ16

佐助が異変に気が付いたのはAが長と二人の元を去って二日後だった。

Aが術を習得するために修行しているという話は聞いていたが、まさか御神木に縛り付けられ暴行を受けていたとは誰が予想しただろうか。


佐助「A!」


腹部を容赦なく蹴られ、吐血するAに、佐助は駆け寄った。


佐助「Aに何してるのさ!」


見下ろす大人の目が怖い。

視線に足が竦む佐助だが、Aを守らねば、という気持ちで精一杯大人たちを睨んだ。


「佐助、Aの邪魔をするな」


大人達の後ろからやって来たのは、片足を引きずる長。


「これは術を習得するために必要な事なんだ」

佐助「だからって…なんでAがこんな目に!」


縄を必死で解こうとする佐助。

そんな佐助に、Aは掠れた声で「やめて」と呟いた。


A「呪いを習得して…私は長の役に立ちたいの…」

佐助「何言ってんのさ!こんなこと続けていたらAは死んじゃ…わっ!」


大人に襟首を捕まれ、佐助は宙を舞った。


A「佐助っ……!」


上手く受け身が取れず背中から落ちてしまった佐助に、Aは心配して駆け寄ろうとするが、縄と大人達が邪魔をする。


「A、戯れるのはもうやめなさい。今は術を習得することだけに専念しろ」

A「お、さっ…」


長の姿が歪む。

サンドバックのように蹴られ、Aは再び吐血した。


佐助「止め、ろっ…止めろってばぁぁぁ!」


小さな体で、佐助は必死に大人たちに立ち向かう。

何度挑んでも、再びAが縛られている縄にすら触れることは出来ず…。

気が付けば、辺りは闇に包まれていた。


佐助「A、A……」


全身が痛んでいるのにも関わらず、やっと大人が居なくなってAの傍まで、佐助は地を這いながら辿り着く。


佐助「A…今、助けてあげるから」


懐から取り出したクナイすら、手が痺れて持てない。


佐助「待ってて…すぐに、縄を…」


地面に落ちたクナイを拾おうとしても、掴めない。


A「…もういいよ、佐助。私を、逃がしたりなんか、したら、佐助が危ない、から…」


ぼろぼろになっても、Aは自分より佐助の心配をした。

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三楓(プロフ) - ゲーム好きの酢昆布さん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで閲覧頂きありがとうございました(*´∀`*) (2021年11月7日 14時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
ゲーム好きの酢昆布(プロフ) - 好きです、、、ありがとうございます。佐助、、好きだ、、主さん、、、ありがとう、、 (2020年11月7日 1時) (レス) id: 6552225290 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます!最後まで見てくださりありがとうございました(*´∀`*)次作も武田軍なので、佐助さんはもちろん出演します。そちらでは普段の佐助さんになる予定(?)なので、見てくださると嬉しいです! (2017年9月28日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!基本的に明るい佐助のいつもの気楽さが抜けたりとそういったギャップも書かれていて、とてもドキドキしてました笑、次作も楽しみにしています! (2017年9月27日 23時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます。改めまして、リクエストしていただきありがとうございました!あくまでも私の勝手なイメージ全開ですが、佐助らしさが伝われば幸いです(笑)引き続き更新頑張ります(*´∀`*) (2017年9月20日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年9月9日 8時

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