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黄昏時の御伽噺2 ページ14

真夏の暑さが消え、木々が赤く色づく季節の事だった。

いつものように修行をする三人の元に、珍しく里の長が顔を出す。

長は普通ならまだ現役の忍と言った年齢だが、雇われていたころに任務で敵と相打ちになり、足を痛めてからは里の長としてこの地に身を置いていた。

普段は奥の屋敷に閉じこもり、日ノ本の状況に応じて里の忍達を雇い主の元へ送っているらしい。


A「長!」


まだ幼い三人は、長の前で緊張しながらも膝をついた。


「修行か。精が出るな」

A「はい。でも珍しいですね。長がこんなところまで…」


長は片足を引きずりながらAの目の前に歩み寄った。


「A、お前に頼みたいことがあってな」

A「私にですか?」


もしかしたら派遣の話かもしれないとAは目を輝かせる。


「佐助、かすが。修行を続けて構わないぞ」

佐助「…はい」

かすが「はっ」


片足を引きずりながら屋敷に向かう長に、小さい肩を貸すAも二人の元から消えていった。


かすが「…派遣の話だろうか?」

佐助「どうだか」


佐助はどこか不貞腐れたように手裏剣を投げる。

力みたそれは、あらぬ方へと飛んで行き、的を大きく外れてしまった。


かすが「…A取られたから長に嫉妬?」

佐助「違うし。アイツは生理的に嫌いなだけ」

かすが「嫉妬じゃないか」


幼い佐助が不機嫌アピールをするも、ただ頬を膨らませてがむしゃらに手裏剣を投げているだけなので、ちょっと嫉妬しているのかな?程度にしか見えない。


佐助「…長は忍を忍と思っていない。アイツにとって、ここに居る忍達は商売道具に過ぎないんだ。任務で死んだ者達に弔いも何もしない、ましてや労いの言葉なんて全部嘘っぱちなんだ」


風を切る佐助の手裏剣は、とすっと的の中央に当たった。


佐助「そんな奴に呼び出されたAが心配なだけ。だってAにとって、一番は長だから…どんな命令でも従うに決まってる」

かすが「…何も変なことはされないんじゃないか?Aは里の中でも将来有望の忍。長が気にかけるのも何も不自然じゃないと思うが…」

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三楓(プロフ) - ゲーム好きの酢昆布さん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで閲覧頂きありがとうございました(*´∀`*) (2021年11月7日 14時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
ゲーム好きの酢昆布(プロフ) - 好きです、、、ありがとうございます。佐助、、好きだ、、主さん、、、ありがとう、、 (2020年11月7日 1時) (レス) id: 6552225290 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます!最後まで見てくださりありがとうございました(*´∀`*)次作も武田軍なので、佐助さんはもちろん出演します。そちらでは普段の佐助さんになる予定(?)なので、見てくださると嬉しいです! (2017年9月28日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!基本的に明るい佐助のいつもの気楽さが抜けたりとそういったギャップも書かれていて、とてもドキドキしてました笑、次作も楽しみにしています! (2017年9月27日 23時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます。改めまして、リクエストしていただきありがとうございました!あくまでも私の勝手なイメージ全開ですが、佐助らしさが伝われば幸いです(笑)引き続き更新頑張ります(*´∀`*) (2017年9月20日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年9月9日 8時

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