猿の隊長 ページ2
時は戦の世、戦国時代。
強き者が上に立ち、弱き者はその配下となる。
そんな時代に、一匹の猿が背伸びをしながらとある屋敷にたどり着いた。
「今日のお仕事おーわりっと」
その屋敷の主は全国に名を轟かす武田軍総大将である武田信玄。
その配下である熱血な漢、真田幸村のそのまた配下がこの男、猿飛佐助である。
真田忍隊の隊長である佐助は丁度任務が終わり、くたくたになって帰宅してきたのだが、佐助が屋敷に戻るなり、叫び声が鼓膜を破る勢いで響く。
「ゆぅぅきむらぁぁぁ!」
「うぉぉやぁぁかたさまぶぁぁぁ!」
虎の咆哮のような声は、帰って来たばかりの佐助の鼓膜を容赦なく叩く。
咆哮だけではない。
虎のような巨体の男、武田信玄と、紅い鉢巻きを揺らす真田幸村は互いに互いを殴りあっているのだ。
これに一々驚く佐助ではない。
寧ろこれは武田軍の日課でもある。
佐助「お館様、任務の報告を…」
信玄「ゆぅぅぅきぃぃむぅぅぅるぁぁぁ!」
幸村「ううぉぉぉやかたさぶぁぁあ!」
虚しくも、佐助の声は彼らの声にかき消される。
佐助「やれやれ…毎日飽きないもんだね」
この殴りあいは二人の気が済むまで終わらないことを佐助は重々分かっている。
報告は後にしてとりあえず休もうと木陰に腰を下ろした時だった。
「隊長」
真田忍隊の一人が、木の幹に身体を預けていた佐助の横で膝をつく。
佐助「どうした?」
「かすが殿が参られておりますが…」
かすがとは上杉謙信に仕えるくノ一である。
佐助とは同じ里出身で、互いに情報共有したり、時には互いを欺いたりする仲でもあった。
要は、腐れ縁である。
佐助「軍神の使いで武田に言伝か…?にしてはなんの連絡も受けてなかったけど」
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三楓(プロフ) - ゲーム好きの酢昆布さん» コメントありがとうございます!こちらこそ最後まで閲覧頂きありがとうございました(*´∀`*) (2021年11月7日 14時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
ゲーム好きの酢昆布(プロフ) - 好きです、、、ありがとうございます。佐助、、好きだ、、主さん、、、ありがとう、、 (2020年11月7日 1時) (レス) id: 6552225290 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます!最後まで見てくださりありがとうございました(*´∀`*)次作も武田軍なので、佐助さんはもちろん出演します。そちらでは普段の佐助さんになる予定(?)なので、見てくださると嬉しいです! (2017年9月28日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!基本的に明るい佐助のいつもの気楽さが抜けたりとそういったギャップも書かれていて、とてもドキドキしてました笑、次作も楽しみにしています! (2017年9月27日 23時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます。改めまして、リクエストしていただきありがとうございました!あくまでも私の勝手なイメージ全開ですが、佐助らしさが伝われば幸いです(笑)引き続き更新頑張ります(*´∀`*) (2017年9月20日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年9月9日 8時