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重罪 ページ48

三成「今すぐに武者狩りをこちらに引き渡せ。そいつには重罪がかかっている」

孫市「重罪?」

三成「医者を殺し、私を裏切った。私はもう貴様に情けなどかけないぞ」


三成は威圧をかけるようにAを睨んだ。

孫市に迷惑をかけまいとAは承認の言葉を出そうとしたが、一足遅かった。


孫市「断る」


先に孫市が結論を出した。


A「ま、孫ねぇさん...?」

孫市「私も武者狩りという名は聞いていた。権力の強い大名を襲うというものだろう?だがAはもうそのような事はしない。今は雑賀衆の一人だ」

三成「貴様、本気で言っているのか」

孫市「武者狩りと言っても過去の事だろう?それに、武者狩りは豊臣が倒したと聞いたぞ?」

三成「あれはこいつの父親だ」


三成の中で、父親を目の前で殺され、嘆いていたAの顔が思い出されたが、すぐに取り払う。


孫市「話が混濁しているな。お前は先程自分を裏切ったと言ったが、Aは豊臣の仲間だったのか?だったら武者狩りになるのはおかしいだろう」

三成「元々そいつと、そいつの父親が武者狩りで私がそいつを捕らえ、しばらく武者狩りの特別部隊として豊臣傘下にいたのだ」

孫市「だったらその時点で、Aはもう武者狩りでは無いはずだ」


これ以上の話は無駄と判断したのか、孫市は立ち上がり、Aに「帰るぞ」と言い放って部屋を出た。


A「...あの夜の後、孫ねぇさんが私を拾ってくれたんです。何者かも分からない私を孫ねぇさんは引き入れてくれました」


残ったAがぼそりと呟く。


A「三成さん、私はもう武者狩りには戻りません。父上を知る者を探しながら、私は戦場で生きていこうと思っています」


服と畳の擦れる音を耳に、Aは立ち上がった。


A「私を殺したいなら...戦場で刺し違えてください。私もそれなりの対応はしますけどね」


その言葉だけを残してAは一礼をし、孫市の元へ向かう。

止めることもなく、三成はAが部屋を去るのを黙って見ていた。

雑賀衆→←佐和山城



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設定タグ:戦国BASARA , 石田三成 , 三楓
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赫夜 - 三楓さんこんにちは赫夜デス夕方までのお仕事ご苦労様デス!!先程仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ主人公ちゃんと三成の関わりが一転に別れて閉まったそうですが不純だらけの乱世で一体どうなって仕舞うのでしょうか…(゜m゜;) (2017年5月21日 15時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
赫夜 - 三楓さん» 三楓さんおはようございます赫夜デス徹夜までのお仕事お疲れ様でした(*^▽^*)前回仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ三成の頭の中は主人公ちゃんの事でいっぱいだそうですが主人公ちゃん一体何処に居るのでしょうか…‥(-""-;) (2017年5月16日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 名無し737号さん» お久しぶりです!コメありがとうございます(*´∀`*)ご期待に答えられるような作品にしたいと思います! (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 赫夜さん» コメありがとうございます!これからも更新頑張りますね(*´∀`*) (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
名無し737号(プロフ) - お久しぶりです。こんばんは。石田さんの愛縛を読ませてもらっていました!風です。今作も、なかなかに良い設定ですね!落ち着きのある石田さんに、魅力を感じました!頑張って下さい! (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3d35d0379b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年4月2日 9時

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