稽古 ページ18
A「いち、に、さん...」
Aが小さな紙人形を広い台紙に動かしている時だった。
障子がすぱんっと開く。
三成「今から稽古を...おい、何をしている」
部屋には今日の見張り番である刑部とAがすごろくで遊んでいる。
A「少し待って頂けますか?せめてこれが終わってから...」
Aは賽を刑部に渡した。
三成「これはどういう事だ刑部」
刑部「Aが暇を持て余していた故なァ。すごろくで遊んでやってるまでよ」
三成「なぜすごろくを...」
刑部「知らぬと言うから教えておるのだ。将棋や囲碁も何も知らぬと申して...ヒヒッ、我は六よ六」
A「先を越されましたか...。あ、三成さんもどうです?」
三成「やらん」
しばらく部屋に留まっていたからか、一緒に遊びたがっていると勘違いされた三成。
やれやれと頭を抱えながら彼は自分の仕事に戻ることにした。
*******
A「お待たせしました」
数刻後、すごろくが終わったのかAは重りを引きずりながら三成の元へやって来た。
Aの隣には刑部もついている。
三成「すごろくはもういいのか」
A「はい。あれは中々面白いですね。いいものを教えてもらいました」
三成「そうか」
A「改めて、稽古を頼んでもいいですか?」
三成「あぁ。それと、刑部は休んでいろ。こいつのお守りで疲れただろう」
刑部「なに、ちと童心に返ったまでよ」
刑部は満更でも無さそうだ。
三成はAを連れ、稽古場に向かうが、Aがやけに遅い。
三成「早くしろ」
A「無茶言わないでください。こっちは重りを付けられているのですから」
右足首についた重りを引きずりながら前へ進むA。
足首には何度も同じところが擦れたのか濃い青痣が痛々しく付いていた。
三成「...それも鍛錬だと思え」
A「無理です。なんなら、先に行ってて構いません。私は後から追いつきますから」
三成「...はぁ。そこでいい。腰を下ろせ」
訳もわからずAはその場に腰を下ろした。
すると三成は、懐から取り出した枷の鍵を鍵穴に差し込む。
カチャッと音と共に、Aの足首に付いていた重りは簡単に外れた。
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赫夜 - 三楓さんこんにちは赫夜デス夕方までのお仕事ご苦労様デス!!先程仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ主人公ちゃんと三成の関わりが一転に別れて閉まったそうですが不純だらけの乱世で一体どうなって仕舞うのでしょうか…(゜m゜;) (2017年5月21日 15時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
赫夜 - 三楓さん» 三楓さんおはようございます赫夜デス徹夜までのお仕事お疲れ様でした(*^▽^*)前回仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ三成の頭の中は主人公ちゃんの事でいっぱいだそうですが主人公ちゃん一体何処に居るのでしょうか…‥(-""-;) (2017年5月16日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 名無し737号さん» お久しぶりです!コメありがとうございます(*´∀`*)ご期待に答えられるような作品にしたいと思います! (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 赫夜さん» コメありがとうございます!これからも更新頑張りますね(*´∀`*) (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
名無し737号(プロフ) - お久しぶりです。こんばんは。石田さんの愛縛を読ませてもらっていました!風です。今作も、なかなかに良い設定ですね!落ち着きのある石田さんに、魅力を感じました!頑張って下さい! (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3d35d0379b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年4月2日 9時