生き方 ページ16
左近「えっと...その重りは外されてないのか?それとも元から...?」
左近はAの右足についた重りを見て訝しげに呟く。
A「逃げ出さないようにと牢にいた時から付けられています。稽古の時だけ外してもらえると思うのですが...」
左近「あー、なるほど。でもそんなんじゃろくに屋敷も回れねぇな...。よし、今日はアンタの事色々聞かせてもらおっと」
左近はAの前に座り、にっと笑みを見せた。
左近「ほらほら、Aも座って座って」
左近が手首を上下に動かし、Aは彼の言う通りに座り込む。
左近「俺もあんま詳しい事は聞かされてねぇけど、武者狩りっていつからやってんの?」
A「物心つく前からしてたと思いますよ」
左近「思いますって...覚えてねぇのか?」
A「はい。いつの間にかそういう生き方が当たり前になっていましたから」
幼い記憶。
蘇るのはいつも、視界いっぱいに広がる《華畑》と刀の感触だけ。
左近「無差別に殺していくって事をずっとやってたのか?」
A「無差別?それは違います。父上は《虫》しか目的としていません。そしていつも誰かが築き上げたものを壊していくだけ」
左近「アンタの親父さんひねくれてんなぁ。誰かが天下取ったら戦も無くなるんだぜ?人を殺すことも無くなるし、誰かが苦しむことも無くなる。そんな世界の方が良くねぇか?」
A「...そんな世界、つまらないだけです」
左近「え?」
A「戦乱に生み出されたからには戦うが道理。それを覆そうなど愚かなことです。戦乱にしか生きられない人間だって...いるんですよ。私みたいに、戦うことでしか生きられない人間だっています」
左近「A...?」
A「刀を振ること以外に、私に生きる意味などありません」
殺風景な部屋に、Aの言葉が
左近は返す言葉もなく、黙り込んでしまった。
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赫夜 - 三楓さんこんにちは赫夜デス夕方までのお仕事ご苦労様デス!!先程仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ主人公ちゃんと三成の関わりが一転に別れて閉まったそうですが不純だらけの乱世で一体どうなって仕舞うのでしょうか…(゜m゜;) (2017年5月21日 15時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
赫夜 - 三楓さん» 三楓さんおはようございます赫夜デス徹夜までのお仕事お疲れ様でした(*^▽^*)前回仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ三成の頭の中は主人公ちゃんの事でいっぱいだそうですが主人公ちゃん一体何処に居るのでしょうか…‥(-""-;) (2017年5月16日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 名無し737号さん» お久しぶりです!コメありがとうございます(*´∀`*)ご期待に答えられるような作品にしたいと思います! (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 赫夜さん» コメありがとうございます!これからも更新頑張りますね(*´∀`*) (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
名無し737号(プロフ) - お久しぶりです。こんばんは。石田さんの愛縛を読ませてもらっていました!風です。今作も、なかなかに良い設定ですね!落ち着きのある石田さんに、魅力を感じました!頑張って下さい! (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3d35d0379b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年4月2日 9時