ジュウ ページ10
久しぶりに一人の朝を迎えた。調理台に向かおうと寝巻きを着替え終わった時だった。
ベチャリ
障子紙に赤いなにかが付着した。
貴「ひっ!!!」
思わず手を引っ込めた。
ああ... またか。
障子を開けたら案の定。目の前には半凶煌状態の彼がいた。
貴「み、三成、様... 」
私が名を呼ぶと三成様は、はっとして誰にも見せないような満面の笑みを浮かべた。頬に付着した血を拭い、私を抱き締める。
三「おはよう。私がいなくて眠れなかっただろう?一人にして悪かったな」
と言って頬擦りをされる。
*******************
半「... 」
秀「むう... 」
二人の兵の死体を見ながら秀吉様と半兵衛様のお二人は難しい顔をした。
半「三成君、これはどういう事か説明できるかい?」
三「恐れながら、当然の報いかと」
半「っ!君という人はッ」
秀「抑えよ半兵衛」
半「秀吉... 」
秀吉様は伏している三成様の前に立った。
秀「三成」
三「はっ」
秀「お前の心を乱している者を我は知っておる」
三「... ?」
秀吉様は私をちらっと見た。
秀「そのような者がおってはお前も気が散ろう。よって、嫁ぐまでの間Aを別の大名の城へ行かせる。そう。家康のところにな」
三成様はかっと目を見開いた。
三「秀吉様!なにゆえですか!何故裏切り者の所へAを居候させるのですか!」
秀「Aの嫁ぎ先というのが家康の家臣だからだ。これでもまだ異論があるか?」
三「Aの婚約を破棄してください!私がどうなろうが構いません」
半「三成君、前にも言っただろう?もう決まった事だよ」
三「ッ... 分かりました」
三成様はすっとその場を離れた。
秀「確かに、あのままではいかん」
半「あれで引き下がってくれればいいけど... Aちゃん、明朝に出発するから荷物をまとめておきたまえ。でも部屋を片付けた後でいいかな?」
貴「はい」
秀「それまで城下町にでも行っておれ」
貴「はい」
いちお着替えてたから朝御飯を作って行こっと。
私の朝食ともうひとつ御膳を揃える。
三成様のだ。
三成様は何故か私が作った物しか食べてくださらないらしく、前に女中さんが作った朝食を出すと全く手すらつけて貰えなかったことがあって、一品だけ私が作るとそれだけ綺麗に平らげた。以来、三成様の食されるものは全て私が作るようになった。
貴「三成様、Aでございます」
障子に問いかけるが返事が無かった。
貴「三成様?」
戸を開く
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三楓(プロフ) - 蒼藍紅蓮ノ爛華朱月さん» コメありがとうございます(*´∀`*)今の状況とは普通の三成様という解釈で宜しいでしょうか?私の場合、ヤンデレは嫉妬から成り立つようにしています。なので、初めは小さな嫉妬から独占欲に繋がり、狂気へと変えてはいかがでしょうか?少しでも参考になれば幸いです^^ (2016年11月24日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
蒼藍紅蓮ノ爛華朱月 - 嗚呼もうヤバイヤバイヤバイ////三成様はヤンデレに限ります!普通の好きという感情から病ませるところの流れが自然過ぎて怖いデス……;;私も三成様のヤンデレ一本書いているのですが、今の状況からどのように病ませればいいか、教えてぐだざい"! (2016年11月5日 17時) (レス) id: 543f9feeb0 (このIDを非表示/違反報告)
三楓 - この度、一身の都合上急きょ続編という形をさせていただきます。 http://uranai.nosv.org/u.php/novel/327bsr/←こちらからお願いします。 (2016年1月31日 16時) (レス) id: a2617c1131 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 大一大万佐吉さん» 亀甲新のなのにそんなこと言って下さってとても嬉しいです♪(/ω\*)わたしごときの作品が参考になるのであれば是非!作品が出来れば是非読ませていただきますp(^-^)q(なんか上からですみません( ;∀;) (2015年10月11日 11時) (レス) id: a2617c1131 (このIDを非表示/違反報告)
大一大万佐吉(プロフ) - 初めまして!佐吉と申す者です。佐吉楓さんの三成様の病みっぷり…文才ありすぎです!初対面で変ですが、凄く面白いです!私も三成様のヤンデレを書いているんですが…参考にさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2015年10月6日 21時) (レス) id: 227e274ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2015年1月25日 14時