狂イ咲ク狂気ハ愛情ダ

シジュウ ページ41

絶息した彼女をその場に残し、直虎は立ち上がった。

直「まだ近くにいるはずだ... A！私の側をはなれるなよ！」

貴「わかりました」

直「どういうことだ... 豊臣が単体でここを攻めているというのか... ？」

直虎が考えている時だった。前方で血まみれのなでしこ隊がふらふらと歩いてきた。

なでしこ隊3「直虎様... にげて... 」

彼女はその場に崩れ落ちた。
そして、彼女の後ろに立っていた男。
男も血まみれのである。しかし、それは全て返り血だ。
男は顔を上げ、Aを見るなり微笑んだ。


三「A、ミツケタ... 」

貴「っ！？三成様！！」


微かに怯えるAを直虎は守るように自分の後ろに下がらせる。

直「... なるほどお前か。Aが逃げ出したいのも分かるな... 」

三「なんだ貴様は？どけ。Aに触れるな」

直「断る！Aも乙女だ！乙女は私が守る！」

三「貴様がAを守る、だと？ふざけるな。Aを守るのは私だけで十分だ」


刹那、三成の姿が視界から消える。
戸惑う直虎だったが、咄嗟に刀を抜き、首を狙っていた三成の攻撃を止めた。


貴「直虎ちゃん！」

直「大丈夫、だっ... このくらいっ！」

三「貴様がそこにいるのが邪魔だ。さっさとAを返せ」

直「何度言っても答えは変わらないっ！」


それを聞いた三成は一旦離れ、態勢を整えてから断罪を繰り出した。
あまりの攻撃の速さに直虎に反撃の間すら与えられない。
ついに、直虎は打撃に耐えられなくなり、後方に飛ばされる。


直「ふ、、うぐっ... 」

貴「直虎ちゃん！！」


直虎に駆け寄るAだったが、それは三成によって阻まれた。


貴「三成様... もう止めてくださいっ... 」

三「ならば戻ってこい。今日まで私がどれだけ貴様を探したか分かるか？」

貴「三成様... 」

直「Aから... 離れろっ... 。お前はAにとっては恐怖の対象でしかないっ... 」

痛む体を起こしながら、直虎はなんとか立ち上がる。


三「Aを取り戻せたのならそれでいいと思っていたが気が変わった。貴様は己の命が惜しくないようだな。いいだろう。望み通りこの世から消し去ってやる」


三成は剥き出しの刀をよろける直虎に向ける。


貴「三成様！もう止めてくださいっ... ！直虎ちゃんは何も悪くありませんっ！」

三「何故貴様はこいつの味方をする？Aは私だけを見ていればいいんだ。これをもって世に見せしめてやる。私のAに手を出せばどうなるかを... 」

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