ニジュウハチ ページ29
闇夜の中を浮遊する者が一人。刑部である。
刑部はある一部屋の襖をすっと開いた。
しかし、そこには光もなければ人もいない。
どうやら、まだ部屋には戻っていないようだ。
刑「... あそこか... 」
刑部は探し人がいるであろう場所へ向かう。
*********
刑「ここにおったのか?三成」
刑部の声に三成は一瞬驚いた表情をしたが、ふいに視線を未だ眠るAの方に向ける。
刑「政務が終わればいつもここに来る... 。心配せずとも起きれば知らせるゆえ」
三「構わん。Aが起きるまで私はここにいる」
刑「左様か」
そして、刑部はふう、とため息をついて本題に入った。
刑「左近から話は聞いた」
三「なんのことだ?」
刑「Aに毒を盛ったのは主であろ?」
三「... 」
三成は眠るAの額に触れる。Aの額を静かに撫で、そして見つめた。その瞳は、狂気一色に染まっている。
三「Aはすぐに起きるはずであったが、もう五日も目覚めていない。おそらく、料理人が毒の量を間違えたと見る」
刑「やはり主が... 」
三「だかな、刑部。私はそれで良かったと思っているのだ。声を聞けないのは残念だが、政務が終わればすぐに会える。探さずにだ」
刑「... いつ目覚めるのやら?左近らが心配しておったぞ?」
三「しるか。毒を盛ったのは料理人だ」
自分以外がAのことを考えているのが余程気にくわないのか、三成は不機嫌気味に答えた。
刑「毒を盛ったのは主ではないのか?」
三「調味料に使えると言って私が渡した。あの料理人... Aと仲が良かったからな。いつか始末しようと思っていたところだ」
刑「... 」
三「分かっているだろう刑部。Aといていいのは私のみだ。それ以外の奴等は全て斬滅する」
刑「心得ておる。主の色恋の邪魔をするつもりはない。... たがな... .. .. 」
刑部は途中で口ごもった。
三「なんだ?言いたいことがあるなら言え」
刑「程々にしておけ、と言っても、もう遅いか。主の束縛に程々という言葉はないか」
三「好きだから束縛してなにが悪い?第一、束縛を愛と言わなければ、何を愛と言うのだ?」
刑「さあ、我には分からぬ」
三「とにかくだ。Aが目覚める前に、帝と方をつける。例えそれが将軍殺しでも、な」
[凶王が笑むと死ぬ]
あながち、間違いはないと刑部は思った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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三楓(プロフ) - 蒼藍紅蓮ノ爛華朱月さん» コメありがとうございます(*´∀`*)今の状況とは普通の三成様という解釈で宜しいでしょうか?私の場合、ヤンデレは嫉妬から成り立つようにしています。なので、初めは小さな嫉妬から独占欲に繋がり、狂気へと変えてはいかがでしょうか?少しでも参考になれば幸いです^^ (2016年11月24日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
蒼藍紅蓮ノ爛華朱月 - 嗚呼もうヤバイヤバイヤバイ////三成様はヤンデレに限ります!普通の好きという感情から病ませるところの流れが自然過ぎて怖いデス……;;私も三成様のヤンデレ一本書いているのですが、今の状況からどのように病ませればいいか、教えてぐだざい"! (2016年11月5日 17時) (レス) id: 543f9feeb0 (このIDを非表示/違反報告)
三楓 - この度、一身の都合上急きょ続編という形をさせていただきます。 http://uranai.nosv.org/u.php/novel/327bsr/←こちらからお願いします。 (2016年1月31日 16時) (レス) id: a2617c1131 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 大一大万佐吉さん» 亀甲新のなのにそんなこと言って下さってとても嬉しいです♪(/ω\*)わたしごときの作品が参考になるのであれば是非!作品が出来れば是非読ませていただきますp(^-^)q(なんか上からですみません( ;∀;) (2015年10月11日 11時) (レス) id: a2617c1131 (このIDを非表示/違反報告)
大一大万佐吉(プロフ) - 初めまして!佐吉と申す者です。佐吉楓さんの三成様の病みっぷり…文才ありすぎです!初対面で変ですが、凄く面白いです!私も三成様のヤンデレを書いているんですが…参考にさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2015年10月6日 21時) (レス) id: 227e274ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2015年1月25日 14時