狂イ咲ク狂気ハ愛情ダ

ニジュシ ページ25

秀吉様、半兵衛様が家康様によって討たれた今、変わって豊臣を継いだのは三成様だった。

しかし、三成様は主としての振るまいが全くないと陰で噂になっていた。これから豊臣軍はどうなってしまうのだろう？... いや、今は石田軍か。

私がそんなことを考えていると、バタンッと障子が開いた。


貴「三成様？」


三成様は表情一つ変えず、ずかずかと私の部屋に足を踏み入れた。そして、甘えるように私に抱きついた。


貴「軍義は終わったのですか？」

三「... ああ」


三成様は短い返事をすると、私に頬擦りをしてきた。


三「A... ♪」


普段は絶対しないであろう態度に正直、どう対応すればいいか分からない。


刑部様ヘルプ←


すると急に口付けされる。



貴「んっ... 」



チュッとわざと音を立てて唇が離された。



貴「み、三成様... 」

三「柔らかい... 」


とろんとした目でまた顔を近付けられる


が、



左「Aさーん、ちょっといいっすk」


丁度いいタイミングで左近君が登場した。



三「左近...！！」

左「あわわっ！す、すんませんっす！」



三成様は舌打ちし、わざと音を立てながら部屋を出ていった。
左近君はおずおずと私の前に座った。


左「な、なんかマジですんません」

貴「いいえ。構いませんよ」

正直に助かったとはあえて言わなかった。

貴「ところで左近君、どうしたのですか？」

左「あ、そうそう！」


左近君は思い出したように、書状を取り出した。


左「半兵衛様からAさん宛の遺書みたいっす。刑部さんがまずは本人に渡せって」


私は左近君から書状を受け取って、それを読んだ。


貴「... っ！？」

左「ど、どうしたっすか？」

貴「将軍様の側近に... ... 嫁げ、と... 」

左「ま、マジかよ... 」

貴「もともと次ぐ予定だった家康様の家臣の方はしばらく前に絶命された、と.. .. .. 。この世の中、何が起きるかわかりませんね. .. 」

左「. .. .. .. .. 」

貴「え？私、何かおかしなこと言いましたか？」

左「あ、いや. .. そうじゃないっすよ！」


嫁ぐ予定だった方は本当は殺害された。しかも三成様に. ..


私がその真実を知るのはしばらく後になる。


貴「と、とにかく準備をしなればっ！」


私は書状を机に置いて荷物をまとめ、準備をした。

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