優しく吹いた風に

俺は、私は、僕は、・富松 作兵衛、四年生 ページ10

前回の続きです！！









憎かった。

今すぐにでも殺したかった。

大好きな先輩を先輩じゃなくした事も、俺の想い人を殺した事も。

でも、それは先輩が望まない。

愛海先輩は…優しいから。

優しすぎてお人好しで、騙されやすい愛海先輩。

俺が、守らなきゃって、思ってたんだ。






俺は、思ったより、無力だった。









大好きで、私達の姫だった。

団結力のない私達四年生でも、彼女のためなら団結した。

嬉しそうに笑った彼女の笑顔を守るのは、私達だと思っていた。

想っていたわけではない。

まるで双子の妹のよう。

彼女に想い人ができた時は、皆で喜んだ。

あの滝夜叉丸とでさえ、ハイタッチしたほどだ。




会えてよかった。



そう思った。









ごめん、愛海。



僕は、もう耐えられないんだ。


愛海の思いを踏みにじる事になるのかな…


でも、愛海。




愛海が大好きな、先輩後輩仲良しの、あの学園に戻すよ。








すぐ仲良くなんて難しいだろうけどさ。









愛海先輩。



綾部先輩が、天女を殺しました。



俺も、先輩が好きなあの頃の学園に戻るように頑張りますね。









最後に。









富松「大好きです、愛海先輩。来世こそ、先輩に想いを伝えますから…！」

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