何より、誰よりもろかった・富松 作兵衛、四年 ページ9
天女ネタです!!
主人公死にます!!
苦手な方は飛ばして下さい!!
*****
「嘘…だろ…」
目の前には、血溜まり、大好きな彼女の服、身体、そっと眠るように閉じた瞳。
鮮やかな紫色だったその忍び装束は、紅く染まっていた。
「なん…で…」
すぐにでも目を覚まして名前を呼んでくれそうな彼女の顔は、時間が経つにつれ、青みをおびていく。
「せんぱ…愛海せんぱ…」
制服には土、腕には戦輪の痕、辺りを火薬の香りが包み、石火矢の跡が残り、愛海先輩の綺麗な長い髪は、無残にも切られ、肩につくかつかないかぐらいの長さになっていた。
…四年生だ。
愛海先輩はくノ一教室四年の先輩で、忍たま達と仲が良かった。
もちろん、あの個性派学年である四年生とも。
愛海先輩は四年生と特に仲が良くて、『忍術学園四年生の姫』なんて言われてた。
そんな先輩が、俺は好きだったんだ。
ある日、空から天女がきた。
上級生はみな天女へ寄っていき、委員会や授業に参加しなくなった。
『喜八郎、滝夜叉丸、三木ヱ門、守一郎、タカ丸さん…はやく、戻ってきてっ……!!』
そう、先輩が泣いているのを何度も見た。
俺だって、戻ってきて欲しかったんだ。
確かに喧嘩ばっかりの先輩だったけど、左門も三之助も藤内も、もちろん俺も、委員会で先輩のかっこいいところは見てきたんだ。
滝夜叉丸先輩みたいに七松先輩についていけるようになりたい。
田村先輩みたいに後輩を励ましながら努力出来るようになりたい。
綾部先輩みたいに己の個性を曲げずに突き進んでいけるようになりたい。
浜先輩みたいに何事にも本気で頑張れるようになりたい。
タカ丸さんみたいに優しく後輩や同輩に寄り添える人になりたい。
心から、そう思ってたんだ。
心から、先輩が、大好きだったんだ。
「私は…何を…」
気づけば、彼女は死んでいた。
私達の姫ではなかったのか。
後輩に、聞いた。
「愛海先輩は…先輩達が殺したんです。」
私達が…?愛海を…?
あぁそうだ。
天女に惑わされ、彼女を殺したのは私達だ。
俺は、私は、僕は、・富松 作兵衛、四年生→←紅い華・池田 三郎次
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗那(プロフ) - M氏さん» いえいえ〜 (2020年1月18日 15時) (レス) id: a5ce07c098 (このIDを非表示/違反報告)
M氏(プロフ) - 紗那さん» 感謝してもしきれねえよ。ほんとありがと (2020年1月18日 15時) (レス) id: 75c6c8cbc0 (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - M氏さん» りょーかい (2020年1月18日 15時) (レス) id: a5ce07c098 (このIDを非表示/違反報告)
M氏(プロフ) - 紗那さん» そうなの。だからしばらく浮上出来ない。べにさんにも伝えといてくれんか? (2020年1月18日 11時) (レス) id: 75c6c8cbc0 (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - マジか。 (2020年1月10日 20時) (レス) id: a5ce07c098 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月明 紗那 | 作者ホームページ:http://sana1117372
作成日時:2019年11月10日 16時