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「あーもしもしミカ？ちょっと教えて欲しいんだけどさー、……え？あー、明日店に顔出すから待ってろ。……ハイハイ、愚痴もそん時聞くから。で聞きたいんだけど、△△ら辺の雑貨屋とか知らね？……そー、雰囲気いいトコで。……違うって、オレのこと疑うの？……うん、……うん、ありがとう。また店顔出すから。……ハイハイ、じゃーな」
わずか1分程度通話をして電話を切った灰谷さんがこちらを振り返る。
「行くぞ」
「はい？」
「馴染みに店教えてもらった。つっても、行ったことねーからどんな店か知らねーけど。オレ雑貨屋なんかほぼ行かねーし。意外と庶民的なお嬢様だな、オマエ」
そう言って笑った灰谷さんに、手を差し出される。差し伸べられた綺麗な手に、どうしたらいいか分からず固まる私を、またくすりとからかうように笑う。
「右手か左手で悩んでんの？」
「えっ？あ……」
そうか、握れということか。こういったことに全く慣れていないのが恥ずかしくて赤くなる顔を隠すように俯き、おずおずと右手を出すと奪われるように手を取られた。そのまま店を出て、停めてあった車の後部座席を開けられ、ごく自然にレディーファーストでエスコートされた。なんだろう、このお姫様にでもなったような気分は……すごく胸のあたりがむず痒くて落ち着かない。
灰谷さんが先程と同じように運転手に行き先を伝えると、やがて車は進み出す。時計を見ても、まだ門限は過ぎていないし、今日は塾もお休みの日だけれど……帰ったらどう説明しようかしら。1度連絡した方がいいかな。でもどう言い訳したらいいかも分からない。まさか正直に、六本木で出逢った人に誘拐されて東京観光してました、なんて言う訳にもいきませんし。
ちらり、と灰谷さんの様子を伺うと、彼もこちらを見ていたので視線がばったりとかち合った。薄く笑みを浮かべている彼の目付きはやはり色香があって、なんだか目合うだけでも緊張してしまう。
「……すっげー落ち着かないってカオ」
「え……」
「飲み物でも買ってこようか？」
「あ、いえそんな、お気遣いなく！」
彼の様子を伺いながら、あの……と気になっていたことを聞こうと話を切り出してみた。
「失礼でしたら、すみません。灰谷さんは、御職業は何をなさっているんですか？」
「ん〜色々？てかオレ18だけど」
「っえ、えぇえ！？18歳！？」
「そんな驚く？」
「だ、だって、てっきり成人してらっしゃるのかと……！」
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名無 - 神すぎる。占ツクでここまで完成度の高い作品は久々に見ました。 (2022年2月13日 13時) (
レス) @page25 id: 918f2226ec (このIDを非表示/違反報告)
桜妃(プロフ) - 作者様語彙力ありすぎでは…！？更新楽しみにしてます！ (2021年9月6日 3時) (レス) id: 16f20e3b96 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴ子(プロフ) - はじめまして…こんなに作品に引き込まれたのは初めてです；；主様のペースで更新楽しみにしております！ (2021年8月26日 12時) (レス) id: de92cbd6b8 (このIDを非表示/違反報告)
しいい - すごく好きです！続き楽しみにしてます！！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: 69df95b685 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 大っ好きです！蘭ちゃん…可愛すぎる…更新楽しみにしてます\(//∇//)\応援してます！ (2021年8月25日 22時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2021年6月30日 23時
