うるさい、馬鹿！！【碧棺左馬刻】

story8 ページ10

｢づかれだ……｣




いつも以上に集中していたせいなのか、いつもの倍ぐらいに疲れた気がする


重たい身体を必死に動かす


今日は遅くなるってさっきちゃんと連絡もいれておいたし、勝手に夕食は済ましてくれているだろう


やっとの思いで事務所から出ると何故か黄色い声が聞こえた


疲れのあまり幻聴まで聞こえるようになったかと思ったけどちがう


異様なオーラを放つあの長身にアホ毛


そして鋭い目付き





｢さ、左馬刻？｣





どう見てもこの黄色い声は左馬刻に送られている


流石MAD TRIGGER CREWのメンバーなだけあるな……


ムカつくとしても、やっぱりすごい人なんだよな……


と心の中で1人呟く





｢あの、サインしてください！！｣

｢あ？｣

｢ずるい！
私も私も！｣

｢ちょっと！
押さないでよ！｣





私よりも可愛い子や美人な人はいっぱいで


やっぱり不釣り合いなのかなー……


なんて柄もなく思ってしまう


気づかれないように退散するつもりだった






｢おい、なんで先帰ろうとしてんだ｣

｢左馬刻……！？｣





私の肩を掴み、相変わらずの鋭い目付きで私を捕らえていた


後ろにいる女の子達は私たちをガン見していた





｢ちょ、ちょっと
みんな見てるから！｣

｢あ？｣





そう言って後ろを見て舌打ちをすると私を俵担ぎして


……え、俵担ぎ？





｢ちょっと！？｣

｢うるせぇ、黙って口閉じてろ｣





ぶっきらぼうにそう言うと走り始めた

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