君のいたシナリオ ページ43
4人の元へ行くと、智さんと翔さんが雅紀さんとニノを介抱していた。
「いてて…」「…っ！」
雅紀さんとニノは、全身傷だらけではあったけど、幸いにも動けるようで
呻き声を上げながらも体を起こし、俺とジュンを見て小さく笑った。
「無事に、できた…？」
「…ああ。」
「そっか…」
雅紀さんが問い、ジュンがゆっくりと頷くのを見て胸に手を当てた。
「俺たちのこと、守ろうとしてくれたんだよね。最後にお礼言えたらよかったな…」
少し寂しそうに笑う雅紀さんに、ジュンが緑の宝石を握った右手を差し出した。
「…これ、受け取ってほしい。」
「もちろん。」
雅紀さんが力強く頷くと、宝石はそれに応えるように雅紀さんの胸元に吸い込まれて消えた。
「あと、これも…」
そして、ジュンは智さんの方へ、青の宝石が握られたもう片方の手を差し出した。
「…ん。」
智さんも迷いなく頷くと、青の宝石もスッ…と勢いよく胸元へ飛び込んで消えた。
「…魂は天に昇ったけど、みんなの能力と少しの記憶はあんたらの中で生き続ける。こんなに嬉しいことはない。
これは、俺たちの生きた証だから。」
ジュンはそう言うと、フゥ…と息を吐いた。
その様子が少しおかしく見えたから、心配になって見ると、ジュンは慌てて汗を拭うように手を動かして何事もなかったかのような顔をした。
…ジュンはもう生きていないから、汗をかかないはずなのに。
訝しく思って顔をしかめると、ジュンはそれに気付いたのか俺から顔を背けた。
「なあ…「少し」
俺の声に被せるようにしてジュンが声を発する。
「少し、休もうか。」
…そんな態度を取られたら、これ以上追及ができなくなっちゃうよな。
「…うん。」
俺は曖昧に頷くと、そのままそこに腰を下ろした。
…
いくら能力者とは言え、さすがに疲れて
みんなで少しの間休憩をした。
その間誰もしゃべらなかったけど、少ししたら翔さんが恐る恐る静寂を破った。
「…あのさ。」
「うん。」
どうぞ、と促すと、言葉を選ぶように話し出す。
「…俺たちさ、抜け出してからどれくらいだったかな。」
「…っ。」
…その言葉だけで彼が何を言いたいのか分かってしまった。
ニノも察しがついたようで、パチリと視線が交わった。
「少なくとも、一時間は…」
雅紀さんが呟き、智さんと2人で首を傾げる。
「こういうことだろ。」
ジュンがゆっくりと、言葉を続けた。
「なんで、誰も捕まえに来ないのかって…」
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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